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2021年10月31日

任意保険に入らないと危険!未加入のリスクや必要性を解説

車検の際に強制的に加入しないといけない自賠責保険と違い、任意保険への加入はドライバー個人の判断に任されています。

任意であるにもかかわらずほとんどのドライバーが任意保険にも加入しているのは、入っていないと万が一事故を起こしてしまった時に様々なリスクを負うからです。

中には任意保険の必要性がいまいちわからない、出来たら入りたくないと考えている方もいるかもしれません。

ここでは任意保険のメリットや未加入のリスクについて解説します。

自動車保険は2種類ある

自動車保険には任意保険と自賠責保険の2種類があります。

任意保険について詳しく見ていく前に、この2種類の違いをおさらいしておきましょう。

自動車保険(任意保険)

まずは自動車保険、いわゆる任意保険からです。任意保険は名前の通り各ドライバーが自分で加入するかどうか決められる保険です。

事故を起してしまった時に強制加入の自賠責保険だけでは十分でないことは多く、任意保険はその自賠責保険でカバーされない分の補償をまかなう役割を果たします。

また、自賠責保険と違い補償内容を自分で選んだりカスタマイズすることも可能です。

任意とはいえほとんどの車は任意保険にも加入していまが、全体の約10%の車は任意保険にも共済保険にも加入していないと言われています。

自賠責保険(強制保険)

自賠責保険は、法律で車の所有者に加入が義務付けられている保険です。自賠責保険なしで車検が通せないこともあり強制保険とも呼ばれます。

また、自賠責保険が切れた車を公道で運転すると厳しい罰則が科され、即免停です。

自賠責保険は事故の被害者側への最低限の救済を補償したもので、補償内容も法律によって決められています。

対人補償だけで治療費などの補償が最大120万円、後遺症の補償が最大4,000万円、死亡時の補償が最大3,000万円なのでこれだけで事故の際の補償を全て賄うのは難しいでしょう。

任意保険に入らないリスク

自賠責保険だけで任意保険に入らないと様々な問題が生じます。

事故の被害者にとっても自分にとってもあまりにも金銭的なリスクが高いことを覚えておいてください。

高額賠償請求に対応できない

交通事故の場合自賠責保険の限度額をはるかに超える賠償金額になることも珍しくありません。

これまで一番高額だった死亡時の賠償金は5億843万円です。40代の開業眼科医の男性で、裁判で男性側に60%の過失が認められたものの、この金額が算出されました。

大学生の男性が友達と悪ふざけをして走行中の車のボンネットから転落し後遺症を負った事案でも賠償額は3億円以上です。

任意保険未加入で賠償額が高額になった場合、自賠責保険で賄えない分は全額自分で支払うことになります。

自賠責保険では対物賠償や搭乗者の傷害に対応できない

対人だけでなく対物の事故でも賠償額は高額ですが、自賠責保険には対物保証が含まれていません。

車が店舗に突入した、民家の塀にぶつかったといったニュースを耳にするのは決して珍しくありません。

もちろんどれだけの損害を与えたかによって変わりますが、店舗への補償で1億円を超える賠償金額になった事例もあります。

車で物を壊した場合、たとえ小さな事故であっても修理費用が10万円を軽く超えることはよくあります。

自賠責保険だけ加入している場合、対物の補償は金額の大小にかかわらず全て自分で支払うことになります。

自賠責保険には車両に関する保障がない

事故を起こしたということは自分の車や相手の車にダメージがあるはずです。

自分に過失がある事故の場合は相手の車両の修理費用を賠償金として支払わないといけませんが、自賠責保険には自分の車はおろか相手の車両への補償も含まれていません。

車の修理はたとえ小さな傷であっても高額なのは周知の事実です。任意保険の場合は必ず相手の車両に対する保証は含まれます

自動車保険の補償範囲

続いて任意保険と自賠責保険の補償範囲の違いについて具体的に見ていきましょう。

自賠責保険と任意保険では補償の上限の金額も補償される範囲も全く違います。

自賠責保険の補償範囲

まずは自賠責保険の補償範囲からです。

  • 被害者の治療費や慰謝料:1人につき最大で120万円
  • 後遺症の賠償金:常時介護が必要な場合1人につき最大4,000万円、随時介護が必要な場合1人につき最大3,000万円
  • 死亡時の賠償金:1人につき最大3,000万円
  • 対物補償:一切なし

自動車事故の賠償金は高額になることも多くこの金額ではやはり不安です。また、自賠責保険の補償対象には自分は含まれません。

事故の相手か自分の車に同乗している家族は補償されますが、自分がけがをした場合の治療費は全て自己負担になってしまいます。

任意保険の補償内容は自分で選択することができますが、対人補償と対物保証は必ず含まれ、補償金額はほとんどの場合無制限です。

さらに、自分や車に同乗している人に対する補償や車両補償などもつけることができます。

交通事故時に発生する費用

交通事故の時に発生する費用は数多くあります。

  • 治療費
  • 入院費
  • 治療のための交通費
  • 被害者が12歳以下の子供の場合の看護料
  • 入院中の雑費
  • 診断書やその他書類の発行手数料
  • 松葉杖やメガネ、義肢にかかる費用
  • 治療で働けなくなった期間の休業損害
  • 葬儀費用
  • 車椅子や自宅のバリアフリー化にかかる費用
  • 慰謝料

こちらにあげた費用のほとんどは自賠責保険でも補償されますが、上限は120万円です。

入院が長くなった場合や車椅子や義肢が必要になった場合などはすぐに上限を超えてしまうでしょう。

任意保険に加入していれば自賠責保険の上限を超えた分もきちんと補償してもらえます。

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任意保険に入るメリット

任意保険は自賠責保険より補償金額が多くて補償範囲が広いだけではなく、もっと様々なメリットがあります。その内容を見ていきましょう。

事故時の対応が充実

事故を起こしたら警察や救急への連絡の後すぐに任意保険を契約している保険会社にも連絡するのが一般的な流れになっています。

これは、補償してもらうにはできるだけ早く詳細に事故について報告しておく必要があるだけでなく、保険会社が事故後の対応を代行してくれるからです。

場合によっては事故現場まで担当者が来てくれることもありますし、過失割合の決定や相手との示談交渉も基本的に保険会社に任せることができます。

自賠責保険だけでは事故後の手続きや交渉をすべて一人ですることになり大変です。

事故解決時の様々な補償

任意保険には事故を解決をするために必要な補償もついています。

自分に過失がない事故で保険会社が示談交渉できない場合や、事故で損害賠償を請求する場合は弁護士が必要ですが、任意保険には弁護士費用を補償してもらえる特約があります。

自分に過失がない事故で、車両保険を使っても等級が下がらない車両無過失事故の特約も助かります。

また、事故相手の車の補償をする場合、通常は修理費用と車の時価を照らし合わせて安い方の金額を賠償します。

車の時価の方が修理費用より安いにもかかわらず『どうしても修理をしてほしいと』言われ交渉がまとまらないことがありますが、対物超過修理費用特約をつけておけば相手の希望通りの対応ができます。

ロードサービスが充実

任意保険には事故やトラブルの時のためのロードサービスが付帯しているものが多く、無料で利用できるケースも多いです。

事故にあって車が故障した場合、レッカーを呼んで車を撤去しなければならないうえに、自分たちがその場から移動するためのタクシーや代車も用意する必要があります。

ロードサービス付きの任意保険に入っていれば保険会社が全て手配してくれるので安心です。

自賠責保険だとレッカー費用も事故現場からの移動手段もすべて自分で準備し、さらにその費用を全額負担することになります。

自分に合った保険を選べる

補償内容や保険料が決まっている自賠責保険と違い、任意保険は多くの保険会社のプランを見比べながら自分に一番合ったものを選ぶことができます。

車を使う頻度や家族構成などにより必要な補償は変わってきますが、任意保険だと自分に必要な特約だけを選んでつけることも可能です。

費用が気になる場合は補償内容を最低限にして保険料を安くしたタイプもあります。

任意保険未加入の車両と事故を起こした場合

任意保険に入らないデメリットを挙げてきましたが、任意保険にあえて入らないドライバーは一定数存在します。

ここでは任意保険未加入の車両と事故を起こした場合どうすればいいのか解説します。

物損事故の場合

任意保険未加入の車と物損事故を起こした場合は、相手の過失が大きかったとしても自賠責保険では何の補償もしてもらえません

相手に車の修理費用などを出してもらえるかどうかは、相手の経済状況によります。

例え裁判を起こして賠償金が高額になったとしても、相手に支払い能力がない場合は実際に支払ってもらうのは困難です。

最悪の場合は泣き寝入りになってしまいますが、自分の任意保険で車両保険に加入している場合は自分の保険で補償してもらえます。

一般条件の車両保険で補償される内容

一般条件の車両保険なら自分に過失がある事故や当て逃げにあった場合でも車の修理費用を補償してもらえます。

保険料が支払われないのは飲酒や無免許運転など、被保険者にあまりに大きな過失や故意があった場合に限られます。

余談になりますが、自然災害で車がダメージを負った場合、大雨・台風・雪など天候に関するものや火災は補償対象になりますが、地震・噴火・津波は補償してもらえません。

車対車限定特約で補償される内容

車両保険でも車対車限定特約にしている場合は補償してもらえる範囲が狭まってしまいます。

自動車同士の事故は補償対象になるものの、当て逃げで相手がわからない場合は補償してもらえないので気を付けてください。

自損事故も補償対象外です。

人身事故の場合

人身事故の場合、自賠償保険の限度額までであれば補償してもらえます。

しかし軽症なら自賠責保険の範囲内で収まるかもしれませんが、重症の場合は治療費全てをカバーできなかったり任意保険加入のドライバーからの賠償額より少ない額になることも考えられます。

自分でかけている任意保険に人身傷害特約や無保険車傷害特約を付帯している場合は、不足分を自分の保険から補ってもらうことができます。

まとめ

任意保険は強制ではないから入らないと考える人がいるかもしれませんが、自賠責保険だけでは事故を起こした時にかかる費用を全て補えない可能性が高いです。

任意保険に加入しておけば対人補償も対物補償も十分な金額が支払われるだけでなく、事故後の対応も任せることができるのでやはり安心です。

自分のためにも万が一事故を起こしてしまった時の相手のためにも、任意保険には加入しておくことをおすすめします。

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