車を所有する場合、車両の購入代金だけでなく、さまざまな維持費が発生します。
憧れの車を手に入れたものの負担が重く、維持できないとなれば問題です。しかし、維持費のなかには工夫や見直しで節約できる部分もあります。
この記事では、車を維持するにはどのような費用がかかるのか、節約する方法はあるのかをまとめています。
車の年間維持費を抑える方法を知り、快適なカーライフにお役立てください。
目次
車種別|年間維持費の平均額シュミレーション
一般的な小型車と中型車における、年間維持費を下表でまとめました。
年間の自動車維持費 |
小型車(1.0t以下、排気量1L以下) |
中型車(1.0〜1.5t以下、排気量1〜1.5L以下) |
|
---|---|---|---|
車検料金 (1年換算) |
整備・点検料(車検館の場合) |
10,450円 |
12,650円 |
自賠責保険 |
10,050円 |
10,050円 |
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重量税(2年) |
8,200円 |
12,300円 |
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印紙代 |
900円 |
900円 |
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自動車税 |
25,000円 |
30,500円 |
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任意保険料 |
約70,000円 |
約75,000円 |
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ガソリン代 |
約75,000円 |
約75,000円 |
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メンテナンス費用 |
約50,000円 |
約50,000円 |
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駐車場代 |
約100,000円 |
約100,000円 |
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合計 |
約349,600円 |
約366,400円 |
*車検費用は車検館の費用を参考に、2年間にかかる費用を1/2にしています。
*ガソリン代は165円/L、年間走行距離10,000kmとして計算。
1年間に必要な維持費を月割りにすると毎月3万円程度の負担になりますが、利用頻度が多かったり、駐車場代の高い地域であったりすると、さらに費用がかかるでしょう。
車の年間維持の内訳
車を維持するには、さまざまな費用が発生します。
なかには工夫次第で費用負担を下げられるものがあるので、維持費の内容と節約するポイントについて解説します。
税金
車にかかる税金は自動車税(軽自動車は軽自動車税)と自動車重量税、環境性能割、車両価格の消費税があります。
環境性能割は自動車取得税にかわって2019年10月から導入されており、燃費性能のよい車ほど減税され、消費税とともに購入時に支払えば終了です。
自動車税と自動車重量税は、車を保有する限り定期的に支払います。
自動車税、軽自動車税
自動車税および軽自動車税は、毎年4月1日時点での所有者に課せられ、5月に支払います。
自動車税は排気量0.5リットルごとに増え、普通自動車ならば3万円~10万円程度です。
軽自動車は一律10,800円となっています。
なお、新車登録から13年以上経過したガソリン車は増税されるので、注意しましょう。
なお、2023年3月31日までに新車購入した自動車で、一定の基準を満たすものについては、グリーン化特例の対象です。
電気自動車やハイブリッド自動車などが対象となっており、特例として減税されます。
車を所有する限り自動車税は毎年発生しますが、車種を選ぶことで節約可能です。
車の利用目的を考え、適切な車を選びましょう。
自動車重量税
自動車重量税は車の重量に対して0.5トンにつき年間4,100円発生し、新規購入時とその後2年おきの車検時にまとめて支払います。
また、自動車重量税も新車登録から一定の期間が経過すると増税され、13年経過すると0.5トンあたり年間5,700円に、18年経過すると0.5トンあたり年間6,300円になります。
2023年4月30日までに新規登録された車は、エコカー減税の対象となる場合があります。
電気自動車やハイブリッド自動車など、条件を満たした車であれば、1回のみ減税される措置です。
自動車重量税の負担を軽くしたいなら、車の購入時に対象となるかも注目するとよいでしょう。
保険料
車への保険料には、強制加入となる自賠責保険と任意保険があります。
自賠責保険料は補償内容と保険料が決められていますが、任意保険は保険会社や保険プランごとに内容や金額が異なります。
自賠責保険料
自賠責保険料は車やバイクの所有者が加入しなければならない、強制保険の保険料です。
新車購入時と更新車検時に、次回までの保険料をまとめて支払います。
自賠責保険は、自動車事故の被害者救済を目的としており、事故相手を死傷させた場合に所定の補償額が支払われます。
補償内容と保険料はどこの保険会社でも変わりませんが、任意保険と同じ保険会社にすると、任意保険の保険料が割引される場合があるので、確認するとよいでしょう。
また、万が一、自賠責保険に加入しないで公道を走ると法律違反となり、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられます。
任意保険料
自動車保険の任意保険は、加入義務がありません。
しかし、自賠責保険ではカバーできない賠償や車両補償、運転者・同乗者への補償などを考えると、加入しておくべきでしょう。
任意保険は自賠責保険とは異なり、保険会社によって、補償内容や保険料に違いがあります。
- 車の使い方に合った補償内容・補償範囲にする
- 補償内容がほかの保険と重複していないか確認する
- 同じ補償内容でも保険料が安い保険会社に乗り換える
- 無事故・無違反に努め、保険料の割引が受けられるようにする
以上の事柄に注意し、定期的に保険を見直すと、保険料を節約できるでしょう。
また、最近は代理店を通じての対面販売ではなく、インターネットから直接申込みができる通販型・ダイレクト型と呼ばれる自動車保険があります。
対面販売よりも保険料が安くなることが多いので、活用しましょう。
車検費用
車検費用は、新車購入から3年後と以降は2年ごとの車検を受けるときに必要です。
自動車重量税・自賠責保険料・印紙代からなる法定費用は金額が決まっていますが、車検前の点検整備や車検代行費用などは、どこに車検を依頼するかで大きく異なります。
車検費用を抑えたいなら、見積もりを取り、ディーラーよりも安く依頼できる業者を選びましょう。
車検合格に不要な部品交換を避け、車検に特化した車検専門店などを利用すると、費用を抑えられます。
また、車の所有者自身が必要な整備をほどこし、車検場に車を持ち込むユーザー車検なら、大幅に車検費用を節約できます。
整備知識が必要となるため、難しく感じる人もいますが、興味のある人は挑戦してもよいでしょう。
車の年間維持の節約ポイント
ガソリン代
ガソリン代は車の利用頻度でも変わりますが、燃費性能のよい車を利用したり、日頃の運転を見直したりすると節約できます。
たとえば年間走行距離が1,500kmの場合、燃費性能が1リットルあたり20kmの車であれば、単純計算で75リットルのガソリンが必要です。しかし、燃費性能が1リットルあたり30kmの車であれば、50リットルで済みます。
また、車を使うときは、次の事柄に注意すると、燃費性能を向上できるでしょう。
- アイドリングストップを意識する
- 急発進・急停止をしない
- 車体が重くなると燃費が下がるので使わない荷物を載せない
- エンジンオイルやタイヤの状態を最適に保つ
- 冷暖房をはじめ車内設備を使いすぎない
さらに、給油時はセルフ方式のガソリンスタンドや、割引が適用される場所を選ぶと、代金を抑えられます。
メンテナンス費用
車を安全に乗るには、日々のメンテナンスが欠かせません。
エンジンオイルやバッテリー、タイヤなどは車を使うほどに消耗し、定期的な交換が必要です。
こまめな点検と部品交換は、余計な出費に感じるかもしれません。
しかし、トラブルを早期発見できれば修理費用を抑えられ、車の状態を最適に保てれば燃費性能も向上します。
結果的に、車の維持費を下げる効果が期待できるでしょう。
都度、業者に依頼するのではなく、軽微なものは自分で対処すれば、メンテナンス費用を節約できます。
部品交換の際は、純正品にこだわらないほうが費用を抑えられますが、パーツを純正品で統一したほうが売却時の価値が高まる可能性もあります。
さらに、純正品はメーカー保証や車との相性から長持ちしやすいといったメリットもあるので、状況に合わせての選択が重要です。
駐車場代
自宅に駐車スペースがあれば駐車場代はかかりませんが、そうでなければ月極駐車場を契約するなど駐車場代がかかります。
駐車場代は月額8,000円~1万円程度ですが地域差が大きく、都市部では月2万円~3万円というケースもあるでしょう。
一方、地方ならばひと月5,000円代で借りられる場所もあるようです。
なお、車を所有するには車庫証明書が必要であり、取得には駐車場が決まっていなければなりません。
車を所有する以上、駐車場代の負担は避けられないので、維持費のひとつとして覚えておきましょう。
その他
その他の維持費として、高速道路料金やマイカーローンがあります。
車での長距離移動が多い人なら、高速道路を使う頻度も高いでしょう。
高速道路料金は、ETCカードの利用や料金が割引される曜日・時間帯を使うと抑えられます。
車の購入時にマイカーローンを利用した場合、毎月の返済が発生します。
ローンには金利がかかるので、金利の低いローンを利用し、返済回数・期間を少なくすると、負担を抑えられるでしょう。
頭金を多く用意して借入額を少なくしたり、ボーナス月の支払額を増やしたりすると、ローン返済期間の短縮につながります。
まとめ
税金や自賠責保険料そのものは下げられませんが、工夫次第で節約できる費用もあります。
燃費がよく、環境に優しいとされる車であれば、ガソリン代を節約できるだけでなく減税対象となる場合があるので、車を選ぶ際に注目するとよいでしょう。
任意保険は定期的に保険内容を見直し、車の利用状況に合った内容にすると、保険料を抑えられます。
年間維持費の節約方法を知り、車にかかる費用を抑えましょう。