手持ちの車を「廃車」としたい場合、どのような手続きを行えばいいのか知っていますか?
今回は、
- 廃車となる基準
- 廃車にする方法
- 廃車にすることで掛かる費用
- 廃車にすることで受け取れる還付金
など、廃車にする際に知っておくと役立つことをまとめていきます。
廃車にすることを検討中の方は、是非参考にしてくださいね。
目次
自動車の「廃車」の意味とは?
廃車と聞くと、壊れてもう乗れなくなった車というイメージがあるかもしれません。
または、車検が切れたら廃車となったと思われる方もいるのではないでしょうか。
しかし、ただ車検が切れただけでは廃車とは見なされません。
廃車の定義は、書類の手続きと車がスクラップされた状態のことと決められています。
この2つの条件がクリアして、初めて廃車と見なされます。
車が故障して乗れない状態でも、車検が切れている状態でも、廃車とは見なされないので気を付けなければいけません。
物理的に解体処分をされたら廃車ではなく、登録も抹消する必要があるということを覚えておきましょう。
そもそも廃車の必要性とは?
解体処理や登録抹消の手続きを行うのが面倒なので、そのまま乗らなくなった車を放置すればいいと考えがちですが、それでは毎年自動車税が発生してしまいます。
車検が切れた状態でも、車を所有しているという登録が残っていれば、関係なく自動車税は請求されます。
請求された自動車税を払わないでいると、税金を未納していることとなります。
未納状態でいると、延滞金も発生してきてしまいます。
自動車税の納税付きは毎年5月となっていますが、5月中に支払いが認められない場合は、追徴金を請求されることとなります。
追徴金は、納税期日を過ぎてから1ヶ月以内であれば特例基準割合プラス2.6%、
それ以上延滞するようであれば、特例基準割合プラス8.9%で計算されるので、納税期日が遅れるほど追徴金は高くなってきてしまいます。
使用していない車に自動車税を支払うのはもったいないので、廃車にするつもりなら面倒に感じても早めに廃車の手続きを済ませるようにするのがおすすめです。
廃車手続きは2種類ある
廃車にする際の手続きは2種類あります。
どう違うのかを見比べていきましょう。
一時抹消登録
こちらは、車の使用を一時的に停止する時に行う手続きです。海外出張や入院などの事情で、長期間車を使う予定がない場合は、こちらの一時抹消登録を提出しておきましょう。
一時抹消登録の手続きが済めば、その車は一時的な廃車として扱われ、手続きが出されている間は自動車税を請求されることはありません。
それだけでなく、手続きのタイミングによっては還付金を受け取れる場合もあります。自動車税を納めた後に、翌年2月までに一時抹消の手続きをすると、抹消手続きが完了した月の翌月以降は課税されなくなります。そのため、手続き完了以降の自動車税は、月割りで計算され還付金として受け取ることができますよ。
一時抹消登録を手続きした後、またその車を使用する時がきたら、今度は「中古車新規登録」の手続きをすれば、再びこれまで通りに車を使用できるようになります。
永久抹消登録
こちらは、もう使用する予定のない車に対して行う手続きです。
永久抹消登録の手続きを行うことで、車をスクラップすることができます。
事故車や水没車など、乗れなくなってしまった車もこちらの手続きを申請する必要があります。一時抹消登録は、書類などの届け出受理できるのに対し、永久抹消登録少し仕組みが複雑になっています。まずは、不要になった自動車の解体作業を解体業者へ依頼します。
そして、車の解体に必要な4工程のうちの「破砕工程」と呼ばれるところまで完了したら、解体報告を解体業者が管轄の運輸支局に行います。解体報告が行われた後に、解体報告番号が発行されるので、そちらの番号を持って手続きに向かえば、永久抹消登録手続きができます。
永久抹消登録も、一時抹消登録と同様に、手続き完了以降の自動車税が、月割りで計算されて還付金として戻ってきます。
廃車手続きにかかる費用
車を廃車にする際には、登録に必要な手数料の他に、スクラップする費用なども発生してきます。
どこの業者に依頼するかによって、この費用は異なってきますが、目安となる費用を項目ごとにお伝えしていきます。
廃車の引き取り代
廃車の引き取りは車の解体を請け負ってくれるところが無料回収してくれる場合もありますが、自力でレッカーを頼むとなると、おおよその予算は2万円前後となります。
こちらは通常に車を動かせる状態での価格なので、自走不可能な状態だと追加費用が発生する場合もあります。
車の解体代
車の解体費用の目安は1~2万円程です。
各都道府県の許可基準をクリアした工場を持つ解体業者のみが行える作業なので、業者に依頼する形となるでしょう。
依頼をする業者によってはもっと安い価格や無料で解体してくれるところもあるので、見積もりなどを見比べて業者選びをするのがおすすめです。
登録手続き代
自分で登録をする場合、現金で支払うのではなく、印紙を購入して手数料納付書と共に納める形となります。
一時抹消登録の印紙代 | 普通車 850円 | 軽自動車 350円 |
永久抹消登録の印紙代 | 普通車 850円 | 軽自動車 300円 |
上記のように、登録手続き費用は自力で行えば非常に格安です。
しかし、
- 陸運局での抹消手続き
- 重量税の還付手続き
- 自賠責保険の解約手続き
- 自動車税の還付手続き
- 解体証明書の発行
などを、自力で1つずつ行っていくのは想像よりも手間が掛かるものです。
自力では面倒だと感じる場合は、業者に依頼すれば手数料は数千円発生しますが、全て一任することもできますよ。
廃車ができない/費用が高くなるケース
廃車にしたいけれど、廃車にできない場合や、費用が上記にまとめたものよりも高額になってしまうケースもあります。
どのような場合が該当するのか見ていきましょう。
自動車税の未払い
自動車税が未払いでも廃車にすることはできます。ですが、登録が抹消扱いになるまでの未払い分は払わなければいけません。未払い状態で廃車にしても、特別な費用は発生しませんが、自動車税を2年以上滞納している間は、「嘱託保存」という措置が取られ、滞納している自動車税を払わないと、抹消手続きができない場合もあります。
自動車ローンが完済してない
自動車ローンがまだ残っている場合、ポイントとなるのは車の所有者が誰かということです。車の所有者が自分の名義になっていれば、ローンが残っていてもその車を廃車にすることができますが、多くの場合は返済が滞るリスクを考えて、ローンが完済するまではディーラー名義となっています。
所有者がディーラー名義だと、勝手に廃車にすることはできません。
その際は、ローンを完済してから廃車をするのが一般的です。
しかし、震災に遭ったなどのやむを得ない事情がある場合は、ディーラーに相談するか、自動車税事務所に相談してみましょう。
車検証を紛失している
車を廃車とする際の手続きに、車検証の原本が必要です。
車検証は最寄りの運輸支局で再発行をすることができます。
車検証を再発行して廃車にするか、もしくは車検証情報を確認するための「現在登録証明書」を運輸支局で発行してもらえば廃車の手続きを進めることもできますよ。
自力で車検証を再発行するのではなく、業者に依頼する場合は、理由書というものを提出することとなります。
理由書があれば、車検証を再発行せずに手続きを進めることができます。
ただし、手数料が数千円別途発生することもあります。
車検切れと車検残りで廃車費用が変わる?
車検の有効期間が残っている車を廃車にすると、車検時に支払っていた税金や自賠責保険料が還付金として戻ってくる場合があります。
車検を通す際に、自賠責保険料や自動車重量税は、次回車検の有効期限までの2年分を支払うことになっています。
そのため、車検有効期間中に廃車手続きをすると、廃車は決まった翌月からの分が過払い扱いとなり、還付金として返ってくる仕組みになっています。
車検が切れている車を廃車にした場合、当然こういった還付金はないので、その差が費用の差となってきます。
廃車手続きで還付金を得る条件とは?
廃車で戻ってくるお金は、
- 自動車税
- 自動車重量税
- 自賠責保険及び任意保険です。
ちなみに、軽自動車は軽自動車税の還付制度はありません。
自動車重量税は、車検を通す時にかかる車両重量に対する税金のことを指します。永久抹消登録で廃車手続きを行った場合のみ、自動車重量税は還付されます。軽自動車も還付の対象となるので、忘れずに申請を行いましょう。
自賠責保険料は、保険会社に解約申請手続きを行って還付金を受け取ります。解約手続きを進めるには、一時抹消登録証明書などの抹消を証明する書類が必要となるので、廃車手続きが完了した後でないと申請ができません。
還付金を受ける際の注意は、
- 解約手続き申請を行った日から過払い分が計算されるので、なるべく早く手続きを行う
- 自賠責保険の残存期間が1ヶ月未満の場合は還付金を受け取ることができない
などが挙げられます。
いずれにせよ速やかに手続きを行った方が損はなくなります。また、任意保険も還付がある可能性があるので、ディーラーや販売店、保険会社などに問い合わせてみてください。
ハイシャルなら安心して還付金を受け取り
ハイシャルは「契約完了後の減額」「実車確認後の減額」を一切行いません。そのため、先に見積もった廃車の還付金もしっかり受け取ることができます。また、自動車税・自動車重量税・自賠責保険の還付は、全てお客様に渡しています。
ハイシャルでは還付金のチェックツールを用いて実際に貰える還付金をその場で見積もることができるため、気になる方は是非一度ご活用ください。
まとめ
廃車の手続きを行う際の注意点や還付金などのお話をして参りました。
車検の期間の残りがまだたくさんある場合は、受け取れる還付金も多くなるので、忘れずに申請を行うようにしていきましょう。
車を廃車にする際は、たくさんの手続きが必要となります。
自力で行うこともできますが、自分で行うのは面倒だという方は業者にお願いすることもできるので、検討してみるといいですよ。