お気に入りの車でも、いつかは買い替え時期がやってきます。 しかし、どのタイミングで買い替えを検討するか、車の寿命はどれくらいなのか、わからないこともあるでしょう。
この記事では、車の買い替えに適した時期について解説。検討するタイミングや車の寿命、車を乗り換えるメリット・デメリットも取り上げています。
車の買い替えについて迷っている方・乗り換えで後悔したくない方は、参考にしてください。
目次
車の買い替えを検討すべき時期
車の買い替えを検討すべき時期について、代表的なシーンを8つ紹介します。
かつて車の寿命は10年10万kmといわれていましたが、性能も向上しているので、これだけでは目安になりません。
自分の状況に当てはめて考えてみましょう。
3、5、7年目の車検前
新車を購入すると、最初は3年目、その後は2年ごとに車検時期がやってきます。
車検はディーラーや整備工場、車検代行など依頼する相手によって金額が代わります。安くて数万円、高ければ10万円を超えるケースもあるでしょう。
車検費用がもったいないと思うなら、車検前は買い替えを検討する時期となります。
決算期前
決算期前は、車がお得に買える時期です。
自動車業界では3月・9月が決算期となっていることが多いため、売上目標達成に向けたセールが毎年開催されています。
通常よりも値引率が良くなったり、オプションがお得になったりするので、買い替え検討におすすめのシーズンです。
修理費用が高くなる時
製造から10年間はメーカーが部品を保管しているものの、それ以降は決まりがなく、部品が入手困難になるケースも珍しくありません。
交換部品がなかったり、部品代が高額になってしまったりすると、修理費用が高くなります。高額な修理費用がもったいないと感じるなら、買い替えを検討する時期でしょう。
ライフスタイルが変わる時
ライフスタイルの変化によって、適した車も変わります。
- 通勤で使うようになったので燃費の良い車へ
- 家族が増えたので乗車人数の多い車へ
- 子どもも運転するようになったので安全機能を追加した車へ
ライフスタイルの変化に合わて乗り換えることで、燃費や維持費の負担を抑えられます。買い替えを検討する、絶好のタイミングになるでしょう。
自動車税が重課される時
車は新車登録からの一定の年数が経過すると、自動車税が重課されます。
一般的なガソリン車や軽自動車は13年経過、ディーゼル車は11年経過のタイミングで自動車税の税率が重くなります。
金額にするとガソリン車・ディーゼル車で約15%、軽自動車で約20%の重課です。
こうした負担がもったいないと感じるなら、買い替えを検討すると良いでしょう。
車検の前倒しは損する?自賠責保険や重量税の扱いやメリット・デメリットを解説
メーカー保証がなくなる時
新車購入時には保証期間が付いていますが、一定年数または走行距離を過ぎると、保証切れとなります。
保証が適用されなくなると、故障発生時の出費が増えるでしょう。また、保証期間が残っている車なら、買取金額が高くなることもあります。
メーカー保証の期限切れ前も、乗り換え検討のタイミングとなるでしょう。
走行距離が増えてきた時
自動車の性能向上により、耐用できる走行距離も増えていますが、中古売却時には走行距離の少ない車のほうが有利です。
軽自動車で8万km、普通自動車は10万kmが安全な走行距離の目安とされるので、それまでに乗り換える方法もあります。
平均的な乗り換え年数になったら
平均すると7~10年で乗り換える人が多いといわれ、自動車検査登録情報協会によると、令和2年の平均車齢は8.72年でした。
お気に入りの車を整備して長く乗り続けることも可能ですが、使用している車がこれくらいの年数であるなら、乗り換えも選択肢になるでしょう。
車の寿命
車の寿命の目安となる、5つのポイントを解説します。
走行距離や使用年数の他に、修理時のコストや自動車税の変化なども、判断材料となるでしょう。
平均使用年数を過ぎたら
新車登録からの平均車齢は毎年増加しており、令和2年は8.72年でした。もちろん、この年数を超えても乗り続けることは可能です。
しかし、7〜10年も経てば、性能の良い後継車種が登場したり、ライフスタイルが変化したりするでしょう。
乗り換えが必要なタイミングを、車の寿命と捉えることもできます。
走行距離10万km
車種により耐用できる走行距離にも違いはありますが、一般に10万kmが一つの目安。これを超えると、中古買取時の価格が下がるケースも珍しくありません。
走行距離で車の寿命を考えるなら、10万kmが基準になるでしょう。
リセールバリューが0になる
リセールバリュー(売却時の価値)が0になるのを、車の寿命と見ることもできます。
車としての価値がなくなってしまうと、買い替え時に中古買取りや下取りによる費用補填ができません。
廃車買取やスクラップへ出さずに乗り換えたいと考えるなら、リセールバリューが0になるまえに買い替えを決めましょう。
部品の在庫がなくなった時
メーカー純正部品は10年間在庫がありますが、それ以降は法律による定めがないため、生産中止になるケースも珍しくありません。
修理時に部品の入手が難しくなった車は、寿命が来ていると考えられるでしょう。
税金の負担が増えるタイミング
経年により毎年支払う自動車税と、車検ごとに支払う自動車重量税が上がります。
最近の税制改正では、環境に優しい新しい車が優遇され、燃費の悪い古い車は税率が重くなっています。
新車から11年・13年経過していると重課となるので、それを車の寿命と考えてもよいでしょう。
買い替えるメリット・デメリット
車の買い替えにはメリットが多いものの、デメリットもあります。
無駄な出費をして後悔しないよう、両方を考えた上で、検討しましょう。
車乗り換えのメリット
車を乗り換えると、次のメリットがあります。
- 燃費・安全性に優れた新しいモデルが手に入る
- 車検の手間やコストを省ける
- 年式が新しいほど中古車としての価値も高くなる
車の性能は年々向上しているので、買い替えると燃費や安全性の面で優れたモデルを所有できます。
安全に乗り続けるには車検に合格しなければなりませんが、手間や費用がかかります。車検前に乗り換えると、こうした負担を省略できるでしょう。
また、メーカー保証期間内の乗り換えや比較的新しい人気車種は買取金額が高くなるので、新車購入にかかる費用を抑えられます。
車乗り換えのデメリット
車の乗り換えにはメリットがある一方、デメリットもあるので注意しましょう。
- 新しい車の購入費用
- ローン残債があると売却できない
車を乗り換える場合、新車・中古車を問わず新たに購入する分の費用は発生します。
中古買取りや下取りにしても、差額負担はあるので、資金を用意する必要があるでしょう。
ローンが残っている車は、名義がディーラーやローン会社になっているので、勝手に売却できません。確認の上、ローンを繰り上げて返済する手続きが必要です。
車を買い替える際の注意点
メリットが大きい車の乗り換えにも、注意点もあります。確認や手続きを怠ると、思わぬ出費やトラブルになりかねません。
車を買い替える時は、必ず確認しておきましょう。
自賠責保険の確認
通常、車の売却時に有効期限が残っていれば、月割にした金額が買取査定に反映されます。
ただし、業者によっては反映していな場合もあるので、見積り金額と内容は事前に確認しておきましょう。
また、乗り換えで中古車を購入する場合、自賠責保険の期間が有効であるかもチェック項目です。
以前のオーナーや買取った業者が支払いを済ませているか、納車から次の車検日までの分で負担金額はないか確認した上で購入しましょう。
自動車保険の切り替えも行う
車の保険には自賠責保険の他に、任意保険もあります。これは車を乗り換えても、自動的に新しい車へ保険適用されません。
保険によっては取得後30日以内に手続きすれば、新しい車での事故も適用できる特約があります。
しかし、これはあくまでも手続きを忘れていた時に備えてのもの。保険の切り替えは後回しにせず、納車日が確定したら保険会社に連絡して、手続きをはじめましょう。
車によって保険料が変わることもあり、差額があれば精算されます。
車を買い替えるのがお得なタイミング
せっかく車を買い替えるなら、お得なタイミングを狙いたいものです。
手放す車が高く売れるタイミングと、新しい車を安く買えるタイミングに分けて紹介します。
高く売れるタイミング
12月から3月にかけては、新年度からの生活に備えて車を買う人が増えるタイミングです。そのため、車の需要も高まり、この時期は売却価格がアップする可能性もあります。
さらに経過年数が浅く、メーカー保証期間内である車は高価買取も期待できるでしょう。
逆に、以下のようなことがあると、車の価値が大きく下がる恐れもあります。
- 乗っている車がモデルチェンジ・マイナーチェンジする
- ライバル車の性能がアップする
- メーカーの信頼が損なわれるようなリコールや不祥事が起きる
車の価値が下がりきってしまう前に、売却を考えたいところです。
安く買えるタイミング
車が安く買えるのは、自動車業界の決算期となる3月・9月前のタイミングです。
売上目標達成のためセールが行われるので、この時期を狙って納車完了するように車を買うとお得になるでしょう。
他にも7月・12月のボーナスシーズンや、モデルチェンジが予定されている車は在庫一掃のため、プライスダウンされることもあります。こちらも安く買えるタイミングといえるでしょう。
車の買い替え前の準備
車の買い替えが決まったら、準備を整えましょう。
買い替え時に準備しておきたい事柄を、4つの項目に分けて解説します。
売却価格を調べる
購入費用と売却価格を比較し、収支のバランスを把握しておかないと、思わぬ出費となるケースもあります。
手放す車にどれくらいの価値があるのか、売却価格は見積もりを取るなどして相場を確認しておきましょう。
ローン残債の確認
車を手放す時にローンが返済できていれば問題ありませんが、残債があると売却できません。ローンの返済中の車は、ディーラーやローン会社の名義になっています。
乗り換えのため売却するならば、繰り上げて返済しておかなければなりません。
ローン残債があるならば、その負担がどの程度になるのか、売却価格と合わせて確認しておきましょう。
自動車税の納付状況を確認する
車を買い替える際、手放す車の自動車税が納付できているか確認しましょう。
自動車税は毎年4月時点での車の所有者に課せられ、1年分を前払いしています。
乗り換え時には自動車税の納付が済んでいるか、買取業者から確認されることがあるので、納税証明書を用意しておくと安心です。
また、車の乗り換え時期によっては支払い済みの自動車税が残っているケースもあるでしょう。その場合、払い済の自動車税を月割計算して、査定額に反映されるのが一般的です。
トラブルを避け、売却時に不利な取引をしないよう、準備しておきましょう。
必要書類準備
車の買い替えには、下記の書類が必要になります。手続き直前に慌てることがないよう、あらかじめ準備しておきましょう。
車の購入に必要な書類
- 車庫証明書
- 印鑑証明書と実印(普通自動車)または住民票と認印(軽自動車)
- 委任状
車の売却に必要な書類
- 車検証
- 自賠責保険証
- 自動車税納税証明書
- リサイクル券の預託証明書
- 印鑑証明と実印(普通自動車)または認印(軽自動車)
- 譲渡証明書と委任状
- 住民票または戸籍謄本(住所氏名に変更がある時)
まとめ
車の買い替えを検討する時期や、車の寿命、買い替え時の注意点について解説しました。
車の経過年数や走行距離だけでなく、所有者のライフスタイルが変わるタイミングも買い替えの目安となります。
買い替えに適したタイミングを見逃してしまうと、税金や保険、車検費用や維持費など無駄な出費の原因となります。
車の乗り換えはメリット・デメリットを考え、後悔しない時期を見極めて行いましょう。