レンタカー事業を始めようと考えている方も多いでしょう。
ただレンタカー登録した車は自家用に使う車と車検期間が違うのをご存知でしょうか。
車検にかかる費用は大きいので、事業計画を立てる際にどれくらいの頻度で必要になるかきちんと確認しておく必要があります。
レンタカーの車検の有効期間は車種によっても、新車か中古車かによっても変わります。
そこでここではレンタカーの車検について詳しく解説します。
また、レンタカー事業を始めるために必要な初期費用や維持費なども紹介していきます。
目次
レンタカーの車検有効期間
ご家庭で使う車と同じようにレンタカーも定期的に車検を受ける必要があります。
レンタカーは沢山の人が入れ替わりで使いますし走行距離が長くなることも多く、車検有効期間はマイカーと比べて短く設定されていることがほとんどです。
これからレンタカーを始めようと考えている方は注意してください。
ここで説明するのは新車をレンタカーとして登録する場合のルールです。
それでは車種ごとの車検有効期限を見ていきましょう。
普通車の車検有効期間
まず普通車の車検有効期限について説明します。
レンタカーとして登録する普通車が新車の場合、初回の車検は新車登録から2年後、その後の車検は1年ごとに行います。
マイカーの場合は初回3年、それ以降は2年ごとなのでかなり短いスパンで車検しないといけないことがわかります。
レンタカーはマイカーと違い『わナンバー』のナンバープレートが発行され、車検証にも一目でわかるように備考欄に『貸渡』と明記されています。
初回以降は毎回車検となるとやはり負担も大きくなるので、事業を始める前にあらかじめ計算に入れておきましょう。
軽自動車の車検有効期間
次に軽自動車をレンタカー登録する場合の車検有効期間についてです。
新車の軽自動車をレンタカーにする場合、初回の車検は新車登録から2年後に、それ以降も2年ごとに行います。
マイカーとして使う場合に比べて初回車検までの期間は1年短縮されるものの、その後はマイカーと同じ頻度の検査になります。
軽自動車をレンタカーにする場合は普通車より車検をする頻度が少なくなりますし、車検費用自体も普通車と比べると安くなることが多いです。
普通車と軽自動車の両方を所有している事業者の方は、それぞれで車検の有効期間が変わるので注意してください。
その他の車両の車検有効期間
普通車や軽自動車以外にも、トラックやキャンピングカーなど様々な車種を取り揃えているレンタカー業者も多いです。
大型バス、霊柩車、特殊用途自動車(9ナンバーと0ナンバー)以外はレンタカーとして登録できるようになっています。
ただ車両ごとに車検のルールが違うので注意してください。代表的な車両をレンタカーにする場合のルールをまとめました。
- キャンピングカー 初回2年、以降1年
- 250ccより大きいバイク 初回2年、以降1年
- 8t以上のトラック 初回1年、以降1年
- 8t未満のトラック 初回2年、以降1年
レンタカーにした場合の車検有効期間を車両ごとの一覧表にまとめたので、併せてご確認ください。
車両の種別 |
初回車検の有効期間 |
2回目以降車検の有効期間 |
|
乗用 |
普通・小型(定員10人以下) |
2年 |
1年 |
軽自動車 |
2年 |
2年 |
|
3輪 |
2年 |
1年 |
|
貨物 |
8t以上トラック |
1年 |
1年 |
8t未満トラック |
2年 |
1年 |
|
軽トラック |
2年 |
2年 |
|
定員11名以上のマイクロバス |
1年 |
1年 |
|
2輪 |
250ccより大きいバイク |
2年 |
1年 |
2輪 |
250cc以下のバイク |
車検の必要なし |
車検の必要なし |
車検途中でレンタカーに変更する場合の車検有効期間
中古車や元々マイカーとして使っていた車をレンタカーとして登録するなら、前回受けた車検の期間内であることも多いでしょう。
まだ車検が残っている車をレンタカーとして登録しなおす場合、どれくらいの期間が残っているかによって初回車検までの期限が変わります。
- 車検の期限まで1年未満の場合 車検の期限は変わらない
- 車検の期限まで一年以上ある場合 車検の期限がレンタカー登録から1年後になる
ただこのルールが適用されるのは普通車です。
軽自動車だと中古車をレンタカー登録しても、期限までどれくらい残っているかに関わらず車検有効期間をそのまま引き継ぐことができます。
レンタカーの初回登録費用
レンタカーの事業を始めるための手続きは比較的簡単ではありますが、登録時にはある程度まとまった費用が必要です。
登録免許税と車両登録費用がかかるので準備しておいてください。
登録免許税
レンタカーを始めるには運輸局へ必要書類を提出し自家用自動車有償貸渡業許可を取得する必要がありますが、許可が下りると登録免許税として9万円支払うことになります。
支払いの期限は約1か月間で、金融機関から一括で支払わないといけません。
登録免許税は毎年かかるものではなく、最初に1回支払うだけでずっと事業を続けることができます。
高いと思うかもしれませんがレンタカーをするためには必ず必要な費用なので、前もって準備しておきましょう。
車両登録費用
先程も触れましたが、レンタカーで使う車両は『わナンバー』のナンバープレートを付ける必要があります。
『わナンバー』のプレートは運輸局で申請すればもらえますが、それにはナンバー代と手数料といった車両登録費用がかかります。
車両登録費用は地域によって異なるので、あらかじめ営業所を置く予定の地域にある運輸局へ行って確認するようにしてください。
車両登録費用以外にも車を購入する代金や車検が切れている車なら車検費用、それに車庫証明取得や移転(変更)手続きにかかる手数料も必要です。
レンタカーの維持費
レンタカーの事業を続けていくには維持費も必要になります。
車検費用だけでなく、メンテナンス費用もマイカーより大きくなることが多いです。
自動車税
マイカーと同様、レンタカー用の車にも自動車税がかかります。
自動車税は毎年支払わないといけない税金で、ほとんどの場合5月末が支払い期限です。
自動車税は排気量によって額が変わり、29,500円から111,000円とかなり幅があります。
また新車登録から13年以上経過した車の場合、自動車税が15%増税されます。
車を何台も所有することが多いレンタカー事業では毎年払う自動車税の額も大きくなるでしょう。
これから車を揃えるなら自動車税のことも考慮に入れ排気量の少ない車を選ぶと経費削減につながります。
メンテナンス費用
マイカーのだと所有者の義務である法定点検は12ヶ月点検と車検時における24ヶ月点検で、1年に1度メンテナンスに出せばいいことになっています。
点検項目は12ヶ月点検で27項目、24ヶ月点検だと57項目です。
一方レンタカーにはもっと厳しいメンテナンスのルールが定められていて、乗用車の場合は6ヶ月ごとに法定点検を行わないといけません。
しかも6ヶ月点検は22項目、12ヶ月点検は82項目と、点検箇所も多くなっています。貨物車など、3ヶ月ごとの点検が必要な車種もあるので気を付けてください。
メンテナンス用の施設があり国家資格を持つ整備士がいる場合は自社でメンテナンスを行うことができるので、点検整備にかかる費用を抑えることができるでしょう。
車検費用
上で詳しく説明しましたが車検費用も大きなコストです。
ほとんどの車種で1年ごとの検査が必要なので、そのつもりで計算に入れておいてください。
車検の費用は車種によって変わりますし、部品交換が必要な場合はそれだけ費用が上がってしまうでしょう。
メンテナンスと同じで国家資格を持つ整備員がいれば点検整備は自前で行えますが、自賠責保険料や自動車重量税それに印紙代といった法定費用は必ず必要になります。
任意保険費用
マイカーに任意保険をかけていない方は少数派だと思いますが、法律上は自賠責保険は加入義務があっても任意保険に加入するかどうかはそれぞれのドライバーの判断に任せられています。
ただレンタカーだと任意保険も必ず加入しないといけません。
レンタカーにかけないといけない任意保険の最低基準はこちらです。
- 対人補償 8,000万円
- 対物補償 200万円
- 搭乗者補償 500万円
ただ事故を起こした際対人や対物で億を超える賠償金を支払わないといけないケースは少なくなく、任意保険では対人補償と対物補償が無制限に設定することが推奨されています。
実際レンタカーでも対人補償と対物補償が無制限の保険をかけるのが一般的なので、そのつもりで保険を選んでください。
まとめ
レンタカーの車検はほとんどの車種でマイカーよりも頻繁に行う必要があります。
まだ車検が残っている車をレンタカーにすると、有効期間が変わることがあるので注意しましょう。
またレンタカーはメンテナンスの回数や任意保険の扱いもマイカーとは変わります。
これからレンタカーの事業を始めようと考えている方は、どんな費用が必要になるかも合わせて確認するようにしてください。