車検の期間

2021年3月2日

車検の前倒しは損する?自賠責保険や重量税の扱いやメリット・デメリットを解説

車検は有効期限きっちりに受けないといけないと思っている方も多いと思います。そのため満了日付近でスケジュールの都合が付かないと焦ってしまうかもしれません。

もし車検を前倒しして受けられるならそんな悩みが解消しますね。

そこで本記事では、

  • 車検を前倒しして受けることはできるのか
  • 車検を前倒しすることによるメリットとデメリット
  • 逆に車検を遅らせることはできるのか

について詳しく解説していきます。

車検は前倒しで更新できるのか?

そもそも車検を前倒しで更新することはできるのか。この答えはイエスです。

車検、つまり自動車継続検査について定めた道路運送車両法を見ても「車検が切れた車で公道を走ったらいけない」とされているだけです。つまり期限切れにさえならなければいつ車検を受けてもいいことになっています。

なので極端な話、理論上は有効期限が1年以上残っている状態で車検をしてもかまいません。ただ前倒しする期間が有効期限が切れる日から1か月以内かそれ以上かで対応が変わります。

  • 有効期限の1か月前から満了日の間に車検を受ける → 元々の有効期限から2年後が次の車検の有効期限になる
  • 有効期限の1か月以上前に車検を受ける → 車検を受けた日から2年後が次の車検の有効期限になる

車検を前倒しにするメリット

車検を前倒しにするメリットはやはり自分の都合がつくときに車検を受けられることでしょう。

最近では日本と海外を行き来しているという方も珍しくありません。

確かに車検の有効期限が切れる時期に月単位で留守にする用があり、なおかつその後すぐに車を使いたい場合は、事前に車検を受けておくことができれば助かります。

また元々の車検の有効期限を都合のいい月にずらしたいという場合にはあえて前倒しで受けるということも考えられます。

例えば年末や年度末は非常に車検が混み合います。予約をとるのも大変で、車検当日も店舗が混み合っていることが多いでしょう。車検の有効期限が毎回3月ならそれを1月にずらすだけで、次回以降ぐんと車検がうけやすくなります。

車検を前倒しにするデメリット

一方車検を前倒しする時に注意しておきたいこともあります。前倒しのデメリットをまとめました。

重量税などを二重で支払う必要がある

車両重量税は車を所有している人が必ず支払わないといけない税金です。毎年かかる税金なのですが、車検の時に次に車検の有効期限が来るまでの2年分をまとめて支払うことになっています。

しかも前の車検でいつからいつまでの重量税を払ったかどうかに関わりなく、車検の時に2年分支払います。期限より前に車検を受けると前回から支払いが重なってしまう可能性があります。

重量税は1度支払うと還付してもらうことができません。余分に払うとその分の重量税が丸々損になります。

自賠責保険の取り扱いが難しくなる

車検の時に支払うのは重量税だけではありません。次の車検までの自賠責保険料も一緒に支払っています。

有効期限通りに車検を受けると自賠責保険も丁度切れる時期なので新たに加入しなおせばいいだけです。ただ車検を前倒しした場合、車検の時にまだ前回契約した自賠責保険の期間がかなり残っている可能性があいります。

この場合2種類の対処方法があります。

  • 自賠責保険を解約したうえで加入しなおす
  • 車検の時には更新せず、後から期限が切れる時期に自分で更新手続きをする

自賠責保険を解約した場合は支払った料金が返還されますが全額返ってくるわけではなく一部だけです。

だからといって自賠責保険を後から自分で更新することにしても、更新しないといけないことを忘れてしまう可能性があります。

自賠責保険が切れた状態で車を走らせていると厳しい罰が科されます。車検の前倒しで自賠責保険をどうするかは慎重に検討してください。

損をせずに前倒しする方法

車検を前倒しすると重量税や自賠責保険料で損をしてしまう可能性があると言いました。ただこういったデメリットを回避たうえで前倒しする方法もあります。

満了日1ヶ月前に受ける

まず満了日の1か月前に車検を受けた場合、そもそも車検を前倒ししたことにはなりません。1か月前だと次回の車検の有効期限を車検を受けた日から2年後ではなく、元の有効期限から2年後にしてもらえます。

重量税を余分に払うこともなければ、自賠責保険料の取り扱いで頭を悩ませる必要もありません。車検の有効期限が切れるその日の都合が悪くても、1ヶ月の猶予があれば、車検を依頼できるでしょう。

指定工場で45日前に受ける

また条件によっては1ヶ月よりさらに長い45日前から、元々の有効期限を変えずに車検ができることもあります。

一部の指定工場で車検を受ける場合です。指定工場で整備を受けて車検に合格と判断されると、指定工場は車検証発行のために運輸局で手続きをします。ただこの手続きは車検に合格してから15日以内にすればいいことになっています。

45日間はこの15日と、一般的に車検の有効期限の満了日に車検を受けたことにできる1か月間を合わせた日数です。

ただこの手続きをしてもらえる指定工場の数は少なく、指定工場が見つかってからもいつ車を預けるか等事前にしっかり打ち合わせをしておく必要があります。

車検を遅らせることはできる?

車検を前倒しすることができることはわかりましたが、反対に遅らせることはできるのでしょうか。

残念ながらユーザー側の事情で車検の有効期限を遅らせることは原則できません。ただ自然災害などやむを得ない事情が発生した場合、国土交通省が地域や時期を限定し車検の延期を認めるケースがあります。

国土交通省により車検の有効期限が延長された事例をいくつか紹介しておきましょう。

  • 2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大した時
  • 2020年の九州豪雨

車検が切れも駐車場にとめてあるだけなら問題ありませんが、公道を走ると免停や罰金と言った重い罰が科されます。

ただ車検の有効期限が切れてしまった場合でも、仮免許やレッカーなどを利用することで合法的に車検を受けることは可能です。

まとめ

車検の有効期限は個人的な理由で遅らせることはできないものの、前倒しは自由にできます。ただ前倒しすると重量税や自賠責保険料で損をしてしまうことになるので気を付けてください。

どうしても前倒ししないといけない場合も1か月前や、一部の指定工場だと45日前に受けることで、前倒しのデメリットを被るのを避けられます。

逆に車検満了になる月を変えたいという場合は、あえて1ヶ月より前に前倒しして車検受けるようにしてください。

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