書類/手続き

2021年9月2日

廃車手続きの流れ・必要書類|登録方法別に解説

所有していた車が不要になった場合、廃車や売却といった手続きが必要です。

しかし廃車の手続きの経験がなく、必要書類や手順について、わからないこともあるでしょう。また車の処分については、廃車だけでなく下取りや買い取りもあります。

この記事では車の廃車手続きに必要なものや、手続きの流れ、下取り・買い取りの違いを解説。自動車を処分しようとしている人は、参考にしてみてください。

廃車とは

自動車の廃車は、車の戸籍となる「車籍」をなくす手続きのことです。

廃車と聞くと、車両を解体してスクラップにするイメージを持つ人が多いでしょう。しかし解体処分しても、車籍を消さなければ、廃車になりません。

廃車手続きを完了するには、管轄の運輸支局で抹消登録をします。

抹消登録すると、ナンバープレートを返却するため、その車は公道を走れません。そして抹消した車には、自動車税や自賠責保険が不要となり、所有者の負担がなくなります。

逆に車を解体処分しても抹消登録を忘れると、毎年自動車税が発生するので、注意しましょう。

また不幸にも事故や災害、盗難に遭い、車が使えなくなった場合も、廃車手続きをします。

2種類の廃車方法がある

運輸支局で行う廃車手続きには、一時抹消登録と永久抹消登録の2種類があります。

運輸支局が開いているのは平日のみとなり、受付時間は8時45分から11時45分と、13時から16時です。月末は窓口が混み合うことも多く、時間がかかると思っておきましょう。

車の所有者が自分で手続きに行くのが難しい場合は、委任状を用意して代行も可能です。

なお軽自動車や原付バイクは、手続き方法が異なります。申請窓口も税事務所や市役所となりますので、注意しましょう。

ここでは普通自動車の廃車に絞って、抹消登録を解説します。

一時抹消登録

一時抹消登録とは、一時的に車の登録を抹消し、公道を走れないようにする手続き。後日、運輸支局で登録し直せば、再び公道を走れます。

海外転勤や長期入院など、一時的に車に乗らない期間ができる時に使う方法です。また車が盗難された場合も、一旦、この対応をすることになるでしょう。

一時抹消登録に必要なもの

一時抹消登録をする場合、下記のものを準備します。

  • 申請書(OCRシート第3号様式の2)
  • 手数料350円の印紙を貼付した手数料納付書
  • 発行後3か月以内の印鑑証明書
  • 所有者の実印(本人が手続きする場合)
  • 自動車車検証
  • 前後のナンバープレート
  • 理由書(盗難などで車検証・ナンバープレートがない場合)
  • 所有者の実印押印した委任状(代理人による申請の場合)
  • 発行後3か月以内の戸籍謄本(車検証と氏名が異なる場合)
  • 発行後3か月以内の住民票(車検証と住所が異なる場合)
  • 譲渡証明書または戸籍謄本(譲渡・相続により車検証の所有者が変わっている場合)

申請書と納付書については、事前にインターネットからダウンロードして印刷できるほか、当日運輸支局でも印刷してもらえます。手数料は印紙購入によって支払いますが、運輸支局の窓口で買えるので、事前に準備しなくても問題ありません。

ナンバープレートは運輸支局に返却するので、自分で取り外しておきましょう。その他、必要に応じて理由書や委任状、住民票などを用意します。

また自動車検査証の有効期限が1か月以上残っている場合、自動車重量税の還付が受けられます。還付手続きには、下記のものを用意しましょう。

  • 自動車税・自動車取得税申告書(不要な地域あり)
  • 振込先口座情報
  • 委任状(所有者以外が還付金を受け取る場合)
  • 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)

自動車税・自動車取得税申告書については、運輸支局に隣接された自動車税事務所で受け取ることができます。手続きする当日に入手可能です。

一時抹消登録の流れ

一時抹消登録するには、前後のナンバープレートを外し、必要書類などを準備します。

準備ができたら、必要なものをそろえて、運輸支局で手続きしましょう。手数料の支払いには印紙が必要となり、手続き当日に運輸支局内の印紙販売窓口で購入できます。

その後、ナンバープレートを運輸支局の返納窓口で返却すると、手数料納付書に確認印が押印されます。

押印済みの手数料納付書を添え、書類一式を提出しましょう。書類等に不備がなければ、登録識別情報通知書が交付されます。

記載内容に問題がないかを確認して受け取ると、一時抹消の手続きは完了です。

自動車税・自動車重量税の還付を受けられる場合は、税申告窓口で手続きすると、納税分から月割で還付されます。

永久抹消登録

永久抹消とは、その車に二度と乗らない場合の手続きです。

もう乗らない車を処分する場合や、事故・災害によって車がダメになった場合、この手続になります。

永久抹消登録した車は、解体処分のうえ車籍を消されるので、名実ともに抹消されます。

永久抹消登録に必要なもの

永久抹消登録時には、下記のものを用意します。一時抹消登録とよく似ていますが、一部異なる書類もあるので注意しましょう。

  • 申請書(OCRシート第3号様式の3)
  • 手数料納付書
  • 発行後3か月以内の印鑑証明書
  • 所有者の実印(本人が手続きする場合)
  • 自動車車検証
  • 前後のナンバープレート
  • 解体報告記録日(解体業者から報告を受けた解体日、メモ書き可)
  • 使用済自動車引取証明書(解体業者が発行)
  • 移動報告番号(リサイクル券番号のハイフンを抜いたもの、メモ書き可)
  • 罹災証明書(災害により車の解体が証明できない場合など)
  • 理由書(車検証・ナンバープレートを紛失している場合)
  • 所有者の実印押印した委任状(代理人による申請時)
  • 発行後3か月以内の戸籍謄本(車検証と氏名が異なる場合)
  • 発行後3か月以内の住民票(車検証と住所が異なる場合)
  • 譲渡証明書または戸籍謄本(譲渡・相続により車検証の所有者が変わっている場合)

永久抹消登録の際、申請書は一時抹消登録とは異なり、OCRシート第3号様式の3となります。

なお永久抹消登録時の手数料は、車の所有者自身が手続きする場合は不要です。手続きを代行業者などに依頼する場合は、業者に支払う費用が別途発生します。

永久抹消登録の前に、車の解体処分をするため、ナンバープレートは解体業者から回収しておきましょう。その他、解体時の記録も必要となるので、確認しておきます。

また一時抹消登録と同様に、自動車検査証の有効期限が1か月以上残っていれば、自動車重量税などの還付があります。

  • 自動車税・自動車取得税申告書(不要な地域あり)
  • 振込先口座情報
  • 委任状(所有者以外が還付金を受け取る場合)
  • 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)

自動車税・自動車取得税申告書は、運輸支局に隣接の自動車税事務所で受け取れるので、手続き当日に入手可能です。

永久抹消登録の流れ

永久抹消登録をする場合、業者に依頼して車を解体し、ナンバープレートを回収しましょう。

解体業者からは「解体報告記録日」の報告や「使用済自動車引取証明書」の発行があるので、これらを忘れずに記録・保管します。

解体後は一時抹消登録と同じ手順です。必要書類をそろえて、運輸支局に行き、ナンバープレートを返却。確認印が押された手数料納付書と、その他の書類を提出すると、登録識別情報通知書が交付されて手続き完了です。

自動車税・自動車重量税の還付がある場合は、抹消登録後に税申告窓口で手続きしましょう。

廃車にかかる費用

廃車手続きには、どのような費用がかかるのでしょうか。

一時抹消登録の場合、所有者が自分で手続きするなら、費用は手数料のみです。しかし永久抹消登録をする場合、車の解体処分費もかかるため、費用が高額になる可能性もあります。

一時抹消登録にかかる費用

一時抹消登録をする場合にかかる費用は、登録手数料と運輸支局までの交通費のみです。

手数料は350円の印紙を購入し、運輸局に納付となります。

永久抹消登録にかかる費用

永久抹消登録をする場合、運輸支局での手数料支払はなくなりますが、車の解体処分に費用がかかります。

解体費用は業者によって異なりますが、だいたい1万円~2万円程度です。

もし処分する車が自走できない場合は、レッカー車での運搬費用もかかるでしょう。こちらも業者によって金額は違いますが、数千円~1万円程度必要です。

このほか車の処分時には、リサイクル料の支払いもあります。ただし、2005年以降に購入した車であれば、購入時にリサイクル料を支払っているため、廃車時の支払いは不要です。

解体に必要な費用は、事前に見積もりを取り確認しましょう。

廃車を行うメリット・デメリット

車の廃車には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリットとしては、下記の事柄が挙げられます。

  • 自動車税・自賠責保険の負担がなくなる
  • 支払い済みの自動車税・自賠責保険の還付が受けられる
  • 部品買取してもらえる可能性がある

廃車手続きをしないまま、不要な車を放置していると、所有者には自動車税や自賠責保険の支払い義務が課せられます。使わないものに対して費用負担を続けるのは無駄です。

また納付済みの自動車税・自賠責保険の還付や、買取によってお金が手に入れば、必要なことに充てられます。

一方デメリットは、下記のことが考えられます。

  • 廃車手続きの手間
  • 解体・移動などの費用負担

運輸支局は平日しか開いていないので、日曜祝日が休みの人は、手続きに行くのが面倒でしょう。廃車には手続きにかかる手数料のほか、解体費や車の状態によってはレッカー移動代が必要なケースもあります。

こうした手間と費用負担があるものの、自動車税の支払いなどと比べると、メリットのほうが大きいでしょう。

廃車時の手続き代行をしてくれる業者もあるので、不要な車を所有しているなら、処分したほうが良いといえます。

廃車と下取りと買取の違い

使わなくなった車の処分方法としては、廃車の他に下取りや買取もあります。それぞれの違いについて、解説します。

まず廃車は、その車を使えないように処分すること。解体業者に分解し、運輸支局で抹消登録することを指します。

次に下取りと買取についてですが、この2つは似ているようで少し違います。

下取りは車を買い換えるときに、古い車を販売店に引き渡すことです。古い車の価値は、新しい車の購入金額から差し引かれます。したがって古い車の所有者が、お金を受け取ることはありません。

一方、買取の場合は業者が車を査定し、価値に見合う金額を受け取れます。古い車でも人気車種やコレクション性のある車などは、意外な高値が付く場合もあるでしょう。

下取りも買取も、元の車の所有者が廃車手続きをする必要はありません。車を引き取ったカーディーラーや買取業者が、必要な手続きをします。

廃車手続きの代行を依頼できる業者

廃車手続きの代行を依頼先には、ディーラーや自動車販売店、廃車買取業者があります。

ディーラー、自動車販売店

ディーラーや自動車販売店も、廃車手続きを代行してくれる場合があります。

ただしディーラーや自動車販売店は、基本的には車を販売する立場。廃車だけを依頼すると、費用が高額になるケースもあります。

もしディーラーや自動車販売店に、廃車手続きの代行を依頼する場合は、金額を確認しておきましょう。

廃車買取業者

廃車買取業者は、不要になった車を買い取って、廃車する専門業者です。

ディーラーや自動車販売店で値段が付かないような車も買い取ってくれる可能性があり、運輸支局での抹消手続きまで依頼できることがほとんどです。

手続きの手間を省け、買取金額が付くとなれば、廃車買取業者を利用したほうがお得なケースもあるでしょう。

廃車買取業者のメリット

値段がつかないような車でも、廃車買取業者は買い取ってくれる可能性がありますが、業者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

再度販売するため

経年や走行距離から、日本国内では価値のない車でも、海外なら需要が期待できます。

特に日本製の自動車は安全基準が厳しく設定されているため故障が少なく、海外でも人気です。

廃車買取業者は海外輸出の手続きや必要な整備をし、買い取った車を転売して利益を得ています。

廃車の部品や鉄が必要であるため

車には鉄やアルミといった資源が、たくさん使われています。

これらの資源も売買されており、車自体の経年や走行距離は関係ありません。金属資源は再利用できるので、分解して売却すると廃車買取業者の利益になります。

また車に使われているパーツの中には、生産終了のため手に入らない部品もあります。こういった部品は、お気に入りの車を修理しながら長く乗っている人に需要があり、商品として販売可能です。

使えなくなった車の金属や部品が、廃車買取業者の利益となります。

廃車買取の流れ

それでは廃車買取業者を使って、車を処分する際の流れを説明します。

廃車買取の見積もり

まずは廃車買取の見積もりです。依頼したい業者に連絡し、見積もりを取りましょう。店頭や電話のほか、ホームページで簡単に見積もりできる業者もあります。

見積り金額に納得できる業者が見つかれば、業者と打ち合わせて車の引渡し日を決定します。

書類の準備

引き渡し日が決まれば、当日までに必要な書類を準備しましょう。

廃車買取業者が書類取得してくれるものもありますが、所有者本人でなければ用意できない書類もあります。

準備が必要な書類は、業者に確認しておきましょう。

店舗を訪れ、車両を引き渡す

引渡し当日、廃車買取業者の店舗を訪問し、書類と車両を渡します。

当然ながら引き渡した車は返ってきません。車内に置いている荷物はあらかじめ取り出しておきましょう。

買取金額を受け取る

引き渡しが完了したら買取金額を受け取ります。

支払方法は後日振込みとなる業者が多く、当日現金払いは条件付きというケースがほとんどです。

抹消手続きを完了する

その後の解体や抹消手続きは、廃車買取業者が行ってくれます。

手続き完了後には業者から報告書類が提出されるので、廃車手続きの証拠として保管しておきましょう。

まとめ

廃車手続きには車の解体処分だけでなく、運輸支局での抹消登録までを含みます。

抹消登録を怠ると車を所有しているとみなされ、自動車税が発生するので注意しましょう。

運輸支局は平日しか開いておらず、受付時間も限られています。所有者自身が手続きに行くのが難しい場合、代理人による手続きも可能です。

廃車買取業者では買い取った車の処分と手続きまでをまとめて行ってくれるので、忙しい人にも便利です。

また、廃車買取業者であれば中古車買取やディーラーの下取りでは値段が付かなかった車も買い取ってくれる可能性があります。

車の廃車を考えているのであれば、廃車買取業者の利用も選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

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