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2021年10月31日

エンジンオイルを入れすぎた時の5つの症状|解決方法も合わせて解説

潤滑や冷却などエンジンを正常に作動させるために重要な役割を担うエンジンオイル。

少なくなると補充しないといけないのは良く知られていますが、実は多すぎても車に様々な不調を引き起こします。

エンジンオイルを自分で変えた後に違和感を感じたら、もしかしたら入れすぎてしまっているかもしれません。

この記事ではエンジンオイルを入れすぎた場合の問題点や確認方法、さらに入れすぎてしまった時の対処法を解説します。

エンジンオイルを入れすぎた時の症状

まずエンジンオイルを入れすぎると車にどのような症状や異常が出るのかご紹介します。

少し入れすぎた程度では問題ないことも多いのですが、あまりに入れすぎたり異常を放置したりすると車の故障につながることもあるので注意が必要です。

燃費が悪くなる

エンジンオイルを入れすぎた時の症状の一つは燃費が悪くなることです。

エンジンのピストンとクランクシャフトを繋ぐ部分にはコンロッドがありますが、このコンロッドの役割はエンジンオイルを搔き上げてエンジンを潤滑させることです。

エンジンオイルが既定量より多いとコンロッドが絶えずエンジンオイルと接触し、エンジンオイルの温度が上がってしまいます。

温度が上がるとオイルの粘度が下がるため、上手くエンジンを潤滑できません。

そのためエンジンが本来のパフォーマンスを発揮できず、結果燃費が下がることになります。

オイル交換の後に急に燃費が悪くなっ、た場合はエンジンオイルの入れすぎを疑ってください。

マフラーから白煙が出る

マフラーから白煙が出る場合もエンジンオイルの入れすぎが原因かもしれません。

エンジンオイルを入れすぎると通常では入り込まないシリンダーの部分にオイルが入り込むことがあります。

するとガソリンと一緒にオイルが燃えて白煙となってマフラーから排出されます。

白煙は少量ならエンジンにとって致命的なダメージになることは少ないですが、あまりに量が多いとセンサーの故障車両火災と言った重大な問題を引き起こすことになるため、ただちに対処が必要です。

アイドリングが不安定になる

これは特に古い車の場合ですが、エンジンオイルの入れすぎによりアイドリングが不安定になることがあります。

エンジンオイルが多すぎて吸気系に入り込んだ場合に起こる異常で、走行中は比較的安定していてもエアコンをつけた時渋滞時にエンジンの回転数が落ちてしまうことが多いです。

酷い場合はエンストを起こすこともあるでしょう。

オーバーヒートのリスクがある

エンジンオイルを入れすぎるとオーバーヒートを起こしやすくなるでしょう。

エンジンは正しい量のオイルで正常に動くように作られているため、エンジンオイルを入れすぎるとエンジンに余計な負荷をかけ続けることになります。

さらにオイルパンのクランクシャフトにオイルが触れたり溜まったりすると、オイルの温度が上がってしまいます。

エンジンの温度が上がっていることに気付かずオーバーヒートまでしてしまうと、最悪エンジンを交換しないといけないので気を付けてください。

オイルハンマーが起きてしまう

エンジンオイルをあまりにも入れすぎた場合は、オイルハンマーを起してしまうことがあります。

オイルハンマーとは、水がエンジンに侵入してエンジンを破損するウォーターハンマーのオイル版だと考えてください。

エンジンオイルが多すぎると、普通ならオイルが入らない部分にオイルが流れ込んだり、オイルのせいでクランク質の圧が急激に高まることでエンジンが完全に壊れてしまいます。

オーバーヒートした場合と同様エンジンの修理ではなく交換が必要になり、修理費用が高額になる可能性が高いです。

エンジンオイルを入れすぎた時の対処法

このようにエンジンオイルを入れすぎると場合によってはエンジンに大きなダメージを与えてしまいます。

それではオイルの入れすぎに気付いた場合はどうすればいいのでしょうか。その対処法を解説します。

カー用品店でオイルを抜いてもらう

オイルが多すぎることに気付いたら、できるだけ早くオイルを適正量まで抜く必要があります。

一番簡単なのは車をカー用品店まで持って行って抜いてもらう方法です。

オイル抜きは自分でもできますが、やはり車の整備のプロにしてもらう方が確実ですし、抜き取ったオイルを店舗で処分してもらえます。

さらに自分で作業したり道具を用意したりする手間を大幅に省けるでしょう。

オイル交換を業者に頼んで異常が出た場合はその業者に持って行けばいいですが、自分で交換した場合はカー用品店が気軽に相談できるでしょう。

自分でオイルを抜く

業者に頼むのではなく自分でエンジンオイルを抜きたいという方もいるでしょう。

エンジンオイルの抜き方には2種類あるので、ご自分に合った方法を選ぶようにしてください。

また抜き取ったエンジンオイルは自治体によって処分の方法が変わるため、事前に確認が必要です。

上抜き

エンジンオイルの抜き方の一つは上抜きで、言葉通りボンネットの中のエンジンの上部からオイルを抜きとります。

上抜きする場合オイル吸い取り用のホースが付いたオイルチェンジャーが必要になります。

ホースをオイルレベルゲージに直接差し込んでオイルを抜くため、比較的簡単にできる方法でしょう。

オイルチェンジャーは手動と電動があり、カー用品店やネットで簡単に手に入りますし、値段も3,000円前後からあります。

ただ上抜きができない車種もあるので説明書などで確認するようにしてください。

下抜き

下抜きは車の下にあるオイルパンのドレンボルトを外してエンジンオイルを抜く方法です。

車の下で作業するために車体のジャッキアップが必要になり、慣れていない方にとっては大変です。

ただ古いオイルを完全に抜くことができたり、オイルに不純物が混ざっているのを発見できたりといったメリットもあります。

下抜きする際にはジャッキスタンド廃油処理箱を準備する必要があります。

またオイル漏れ防止のためドレンボルトの金属パッキンを新しいものに取り換えてください。

エンジンオイルの規定量

エンジンオイルは少なすぎても入れすぎてもいけないため入れ替える際は規定量を確認したうえでそれを守るようにしましょう。

ただエンジンオイルの適正量は車種車のグレードによって変わることもあるので注意してください。

車種による規定量の違いの目安

エンジンオイルの規定量は車の大きさやエンジンによって変わります。この大きさの車は絶対この量と決まっているわけではないのですが、目安を見ておきましょう。

  • 軽自動車 2.5~3.4L
  • 普通自動車 4~5L
  • ディーゼル車 6L前後

オイル交換を業者に頼むと普通車より軽自動車の見積もりの方が安くなることが多いですが、それは単純に軽自動車はオイルの量が少なく済むからです。

ディーゼル車からガソリン車に乗り換えた場合など、事前に確認せずにディーゼル車の時と同じ量のエンジンオイルを入れてしまうと入れすぎになるので注意してください。

エンジンオイルの規定量は取扱説明書を確認

目安を紹介したもののエンジンオイルの規定量は車によって様々で、車種によっては目安領と全く異なることもあります。

エンジンオイルを交換する前に必ず車の説明書で適正な量を確認するようにしてください。

またエンジンオイルはエンジンが大きくなるほど必要な量が増えます。

同じメーカーの同じ車種でもグレードによりエンジンが違うことがありますが、エンジンが変われば車種は同じでもエンジンオイルの規定量は変わります。

エンジンオイル量の許容範囲

エンジンオイルの量が適正かどうかはオイルレベルゲージを使って自分で確認できます。

オイルレベルゲージには穴や線などでオイルの適正量の下限と上限がわかる2つの印が付いています。

この時、オイルの上限の印より上にオイルのラインが来ていると入れすぎです。

入れすぎでも上限の印をほんの少し超えているくらいならほとんど問題はありません。

注意が必要なのは上限の印より1cm以上も上にオイルのラインがある場合です。

目安として規定量より1L以上オイルを入れすぎると車に深刻なダメージを与える可能性が高くなります。

エンジンオイルの量の測定方法

先ほどエンジンオイルの量はオイルレベルゲージで自分でチェックできるとお伝えしました。

教習所でもオイルレベルゲージの扱い方を習いますが、念のため測定方法の手順をおさらいしておきます。

オイルレベルゲージを取り外す

まずは布やキッチンペーパーを用意してから車のボンネットを開け、オイルレベルゲージを取り出しましょう。

オイルレベルゲージはオイルタンクについており、さらに指をかける部分が黄色や赤など目立つ色になっているためすぐに見つけられるはずです。

オイルレベルゲージは薄い板や細い棒状になっています。滅多にないですが古い車だと折れてしまうこともあるので、注意しながら引き抜いてください。

オイルレベルゲージの汚れを拭き取る

オイルレベルゲージを取り出したらまず付着しているオイルの状態を確認します。

あらかじめ用意しておいた布やキッチンペーパーで少量オイルを拭き取ってください。

布は白っぽい色で埃などが付きにくいTシャツのような生地にするとわかりやすいです。

この時にオイルが黄色や明るい茶色で透き通っている場合はオイルの状態が良好ということになります。

逆に黒っぽく変色していたり不純物が混ざっていたりする場合はエンジンオイルの交換時です。

オイルゲージを引き抜き、オイル量を確認する

オイルの状態がわかったらいよいよオイルの量を確認しましょう。

先ほどもお伝えしたようにオイルレベルゲージの先端にはオイルの規定量の下限と上限を示す2つの印が付いています。

この印は車種により丸い穴だったり線だったりしますが、下にある方の印が下限で上にある方の印が上限です。

オイルの線がこの2つの印の間にあるのが理想的な状態なので、線が下限より下にある場合や上限より上にある場合はエンジンオイルの量を調整する必要があります。

エンジンオイルの量の測定する際の注意点

エンジンオイルの量を確認するのは比較的簡単ですが、測定する時に注意点いくつかあります。

守らないと正確な量が測れないので必ず確認してください。

車を平坦な場所に止める

エンジンオイルの量を測定する時は車を坂道ではなく平坦な場所に止めてください。

オイルの量を測るセンサーやメーターが付いているわけではなく、あくまでオイルレベルゲージのどこにオイルの線が付いているかによってオイルの量を測ります。

車が傾いていると当然オイルタンクも傾いているため、正確な位置に線が付きません。

また、ボンネットを開けてしばらく作業することになるため、平坦なだけでなく以下にも注意しましょう。

  • 他の車や通行の邪魔にならない場所
  • オイルの状態が確認しやすい明るい場所

測定のタイミングに注意

車を走らせている間エンジンオイルはエンジンの中を循環しています。

エンジンオイルが全てタンクに戻ってくるのはエンジンを止めてしばらく経ってからです。

そのためエンジンを止めてすぐにオイルの量を測ると、実際の量より少なく測定してしまうことになります。

エンジンオイルの正確な量を測るには次のどちらかのタイミングで測定するようにしたいです。

  • 駐車している車でエンジンをかける前
  • エンジンを止めた後最低でも5分以上経ってから

まとめ

エンジンオイルを入れすぎると車に様々な不具合が起こります。あまりに入れすぎるとエンジンが壊れてしまうこともあるので注意しましょう。

オイル交換後に車の調子がおかしいなと感じたら、オイルの入れすぎを疑ってください。

オイルレベルゲージを使えば自分でも簡単にエンジンオイルの量を測れます。

もし入れすぎている場合は自分で抜くこともできますが、初めて作業する方は道具を用意する必要があります。

手間や廃油の処理を考えると、カー用品店に頼んで抜いてもらうのがおすすめでしょう。

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