車検切れ

2022年8月17日

車検が切れると免停になる?違反点数について解説

車検は公道を走る車を所有している人に義務付けられた検査であり、忘れるもしくは故意に検査に出さなければ車検切れになってしまいます。

  • 車検が切れると、車はどうなってしまうのだろう?
  • 車検切れになると、どんな罰則を受けることになるのだろう?

そんな不安や疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

たしかに車検に通っていない車を公道で走らせるのは危険であり、法律に従って遵守しなければ大勢の人に迷惑をかけてしまいます。

そこで当記事では車検切れになるとどうなるのか?違反行為にはどのようなことがあるのかなどについて解説します。

車検切れの車で走行すると免停になる

車検切れの車を運転して公道を走らせると免停になってしまいます。

免停とは「免許停止」のことで、運転免許証の効力がなくなった状態のことを表わします。

交通違反や交通事故などを起こすと違反点数が加算されていきますが、一定点数を上回ってしまうと免許停止となります。

では車検切れの車を公道で運転した場合、違反点数はどのくらいになりその他にどのような罰則があるのでしょうか?

まず刑事処分として、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。そして行政処分として、違反点数は6点で免停期間が30日となります。

また車検を受ける際はあわせて自賠責保険への加入も行われますが、車検切れの車は自賠責保険も期限切れになっていることが多く、自賠責保険は強制保険であるため更新されていないと罰則を受けることになってしまいます。

この場合、刑事処分として1年以下の懲役または50万円以下の罰金となり、行政処分として違反点数は6点になります。

車検切れの車を運転した違反点数と自賠責切れの違反点数が同じ6点であるため、最終的な行政処分は6点減点と30日の免停ですが、刑事処分は罰則が加算されるため1年6か月以下の懲役または80万円以下の罰金となります。

自動車税の滞納は車検にも影響あり!延滞金についても詳しく解説

違反点数とは

違反点数には「基礎点数」と「付加点数」があり、交通事故や違反内容・種類によって点数が決まります。

基礎点数は違反内容の危険度によって点数が決められています。

そしてさらに違反には「一般違反行為」と「特定違反行為」があり、一般違反行為は25点、19点、16点、15点、14点、13点、12点、6点、3点、2点、1点の11種類に区分でき、特定違反行為は62点、55点、51点、48点、45点、35点の6種類に区分できます。

また付加点数は人身事故や物損事故の度合いに応じて基礎点数に加算される点数です。

違反点数は違反や事故を起こした日から過去3年分まで合算して数え、一定点数を超えてしまうと免停や免取などの行政処分が適用されます。

ただし運転可能期間の過去1年以上に渡り無事故・無違反であった場合、また免停・免取期間中に無事故・無違反であった場合はそれ以前の交通事故点数は加算されません。

一般違反行為

一般違反行為には、悪質性が高いものとして以下のものが挙げられます。

  • 無免許運転
  • 酒気帯び運転(0.25mg以上)
  • 共同危険行為
  • 過労運転等および妨害運転

一般違反行為は軽い場合(例えば「最低速度違反」「座席ベルト装着義務違反」「追い越し違反」「保管場所法違反」など)は違反点数が1点から3点となっています。

しかし悪質性が高く、危険度が高い上記の行為は25点以上の基礎点数が加算され1回の違反でも免取となってしまいます。

特定違反行為

特定違反行為には、特に悪質性が高いものとして以下のものが挙げられます。

  • 運転殺人等、運転障害等
  • 危険運転致死等、危険運転致傷等
  • 酒酔い運転、麻薬等運転
  • 救護義務違反
  • 妨害運転(あおり運転など)

特定違反行為は35点以上の基礎点数が加えられることになるので、1回の違反でも免取処分となり、欠格期間によって3年以上は免許の再取得が不可能になります。

なお「運転殺人等」「危険運転致死」は基礎点数が62点となり、非常に重い罰則が与えられます。

車検の前倒しは損する?自賠責保険や重量税の扱いやメリット・デメリットを解説

免停になる違反点数

では次に免停となってしまう違反点数を見ていくことにしましょう。違反点数の仕組みや前歴がある場合の違反点数などについて解説します。

違反点数と停止処分の関係

過去に行政処分を受けていない場合

過去3年間の違反点数が累積6点以上14点以下になった場合、免停となってしまいます。

初めて免停処分を受けた場合は以下のように、累積した違反点数によって停止期間が決まります。

違反点数

停止期間

6〜8点

30日間

9〜11点

60日間

12〜14点

90日間

違反点数が14点までの場合は免許停止処分となりますが、累積15点以上になると免許取り消し処分となってしまいます。

免許取り消し処分の対象は例えば、酒酔い運転、無免許運転、共同危険行為等禁止違反、麻薬等運転、過労運転などになります。

また酒気帯び運転は呼気1リットル中のアルコール量が0.15mg以上0.25mg未満の場合は違反点数が13点ですが0.25mg以上の場合は25点となり、免許取り消しになってしまいます。

前歴がある場合

「前歴」とは過去に免許停止処分や免許取り消し処分などの行政処分を受けた違反歴のことを指します。

免停は違反点数が過去3年間の累積で決定しますがこの過去3年間に前歴がある場合は、なかった場合に比べて免停確定までの違反点数や停止期間が以下のように変わります。

前歴

違反点数

停止期間

1回

4〜5点

60日間

6〜7点

90日間

8〜9点

120日間

2回

2点

90日間

3点

120日間

4点

150日間

3回

2点

120日間

3点

150日間

4回以上

2点

150日間

3点

180日間

違反点数の計算は過去3年間の交通違反などによる点数を合計して算出しますが、一方で無事故・無違反の場合は優遇措置が与えられます。

例えば免許停止期間後、1年以上無事故・無違反・無処分の場合は違反点数が0点に戻ります。

免停期間を短くするためには

ここまで見てきたように違反点数や前歴のありなしによって免停期間も変わります。前歴があって違反点数が高いと、免停期間が約半年間に及ぶ場合もあります。もちろん違反者の自業自得であることには間違いありませんが、免停期間を短くする方法はあるのでしょうか?

違反者講習

免許停止処分を受けた者でも、

①    軽微違反行為を行ない、当該一般違反行為に係る累積点数が6点である。

②    軽微違反行為をしたときに前歴がない。

③    軽微違反行為をした日を起算日とする過去3年以内に以下に当てはまることがない。

・違反者講習を受けたことがある

・行政処分の基準に該当する違反行為をした

・重大違反唆し等をした

・道路外致死傷を起こした

※軽微違反とは1点〜3点の違反行為。

こうした要件を満たす場合は違反者講習を受けることができます。

この違反者講習を受講すると本来受けるべき免許の停止や、その後の点数計算について例外的に扱われることになるため、免許停止期間も短くなります。

例えば累積点数が6点の場合は30日間の免許停止となりますが、違反者講習を受けることで免停30日の処分を受けなくて済むことになります。

免停処分講習

免停処分講習とは免許の停止を受けた後に受講する講習のことで、この講習を受講すると免許停止期間が短くなります。

停止期間の長さによって講習の内容や手数料が決められていて、受講生の講習態度やその後行われる試験結果によって短縮期間が変わってきます。

受講者

考査成績別短縮日数

処分区分

講習区分

処分日数

停止又は

禁止

短期

30日

29日

25日

20日

中期

60日

30日

27日

24日

長期

90日

120日

150日

180日

45日

60日

70日

80日

40日

50日

60日

70日

35日

40日

50日

60日

保留又は事後停止

短期

39日以下

受講日を除く残り日数

処分日数の80%に当たる日数

処分日数の70%に当たる日数

中期

40〜89日

処分日数の50%に当たる日数

処分日数の45%に当たる日数

処分日数の40%に当たる日数

長期

90日〜180日

処分日数の45%に当たる日数

処分日数の40%に当たる日数

処分日数の35%に当たる日数

※考査成績:優=85%以上、良=70%以上、可=50%以上(50%未満は短縮梨)

免停処分講習による短縮日数は以上の通りです。

車検とは違う「予備検査」とは?メリットや受け方、必要手続きについて解説

まとめ

いかがでしたでしょうか。

車検切れの車で公道を走行すると免停になってしまうため、車検に通す必要があります。

また違反点数には「一般違反行為」と「特定違反行為」があり、違反点数はそれぞれ異なります。

なお免停になる違反点数は過去に行政処分を受けたか受けていないかで違い、免停期間を短くする免停処分講習も受講態度やその後の試験結果によって短縮日数が変わってきます。

関連おすすめ記事