車検整備/部品

2021年4月1日

車検とは違う「予備検査」とは?メリットや受け方、必要手続きについて解説

皆さんは「予備検査」はご存知でしょうか?

車の検査で一般的に多い検査は、1年ごとに検査を行う1年点検(12ヶ月点検)、2年ごとに行う24ヶ月点検、いわゆる「車検」が一般的な検査です。

  • 「予備検査って言葉は聞いたことあるけど、具体的な内容について知りたい」
  • 「予備検査に必要な書類や、検査を受ける方法を教えて欲しい!」

この記事では、予備検査の種類と上記に記載した法定点検との違いについて、予備検査を受けるメリットと必要な手続きについてご紹介いたします。

予備検査(予備車検)は二種類ある

1.ナンバーの無い自動車の車検

そもそも「ナンバーの無い自動車」とはどういった状況でしょうか。ナンバーが無い自動車は、廃車手続き(一時抹消登録や永久抹消登録)が行われた自動車です。一度廃車手続きを行うと、原則としてナンバーを返却しなければいけません。ナンバー返却を行った自動車を再度ナンバーを付けて使用するために、予備検査を受ける必要があります。

車検が切れてナンバーが無い自動車が予備検査を受け合格すると「自動車予備検査証」が交付されます。
自動車予備検査証は3ヶ月の有効期限があり、有効期限の内に以下の手続きを行います。

  • 新規登録
  • 名義変更
  • 自動車重量税・自動車税の支払い
  • 自賠責保険の加入
  • その他各種手続き

上記手続きを行うことで、ナンバーが無かった自動車を再び使用することが可能となります。車検切れの自動車を譲り受ける場合は「予備検査付き」もしくは「予備検査渡し」と記載されている自動車を選ぶことがポイントです。

2.ユーザー車検の前に受ける車検

ユーザー車検前に受ける車検のことを予備検査とも言います。ユーザー車検前に予備検査を受けるメリットは「車検時に不適合箇所や要整備箇所などが発覚し、再度検査を受け直す」といった手間を事前に防ぎ、車検を円滑に通過させるというメリットがあります。

整備工場には「指定工場」と「認証工場」の2種類の工場があり、認証工場では予備検査を行う場合があります。認証工場は、自動車を分解整備することは可能ですが、車検を取得するには車両を検査場に持ち込んで検査する必要があります。

自社工場で整備を行い、検査場に持ち込む前に予備検査を行い、不備が無いことを確認した後に、検査場で車検を受けるという流れになります。

予備検査と一般的な車検との違い

予備検査と車検との違いついてご紹介します。まずは一般車検ですが、車検に合格すると新しい車検証が交付されます。有効期限は2年で、法定点検は基本的に車検時に行われます。

次に予備検査(ナンバー無し)の場合は、検査を通過すると「自動車予備検査証」が発行されます。有効期限は3ヶ月で、この間に自動車の新規登録・名義変更自動車重量税、自動車税の支払い・自賠責保険の加入等を行います。なお、法定点検は実施されないので、検査後に点検する必要があります。

最後にユーザー車検前の予備検査は、あくまで車検を受ける前の検査なので、発行される書類や法定点検等は発生しません。
ナンバー無しの場合の「予備検査」と、「ユーザー車検前」では内容が異なります。違いについてしっかりと把握しておきましょう。

車検の予備検査を受けるメリット

車検の予備検査を受けるメリットは、車検を円滑に進めることができるメリットがあります。車検前に予備検査を受けておくことで「車検の検査時に不具合が見つかり再度検査を受け直す」といった不足事態を未然に防ぐことができ、時間と手間を節約するメリットがあります。

また、個人で車をネットオークションや譲渡する際に、あらかじめ予備検査証を取得しておくことで、「車検を通せる車」と認知され、譲渡後のトラブル回避に繋がります。

予備検査にかかる手数料

ユーザー車検前の予備検査と、ナンバー取得前の予備検査では手数料が変わります。ユーザー車検前では、下記の手数料が発生します。

  • 重量税(車種により異なります)
  • 審査証:1,400円
  • 検査印紙代:400円
  • 用紙3号:40円

上記が普通自動車の内訳で、更に以下に分けられます。

  • 車検(継続検査):小型自動車 1,720円
  • 車検(継続検査):普通自動車 1,820円

ナンバー取得前では、下記の手数料等が発生します。

  • 車庫証明:およそ2,700〜2,800円
  • 実印
  • 印鑑証明:300円
  • ナンバープレート代:およそ1,500〜5,500円

その他、登録手数料や自動車税、新規自動車の場合は所得税、仮ナンバーを取得して検査する場合は仮ナンバー代、レッカーを使用する場合はレッカー代などが発生します。

予備検査の流れと必要書類

予備検査の流れ

予備検査を受ける前に、可能な範囲で自己点検をしておきましょう。主にチェックしておきたい箇所は以下の8点です。

  • ライト・ランプ類:しっかりと点灯しているか
  • マフラー:排気漏れがしていないか
  • フロントガラス:ヒビ割れ等、損傷がないか
  • タイヤ:1.6mm以上のミゾが残っているか
  • クラクション:きちんと鳴るか
  • ワイパー・ウォッシャー:正しく作動するか
  • 警告灯:メーターに警告灯のランプが点灯してないか
  • 発煙筒:使用期限がまだ残っているか

次に「予備検査の予約」をします。
ユーザー車検前の予備検査を予約であれば、普通車は国土交通省の「自動車検査インターネット予約システム」での予約がおすすめです。

予約システムでは、午前の部は午前8:00まで、午後の部は12:00まであれば、当日でも予備検査や本検査を受ける日程を決めることができます。24時間利用可能なので、前もって予約しておきましょう。

軽自動車は、軽自動車協会の「軽自動車検査予約システム」が便利です。インターネットや電話から、検査の予約をすることができます。

あとは予約した日に検査場に車を持っていき検査を受けましょう。検査項目は主に下記項目です。

  • 排気ガスの測定:排気ガスの濃度が基準範囲内かどうか
  • ライトの測定:ライトの光軸がずれていないか
  • サイドスリップ測定:まっすぐに走行するか
  • ブレーキ測定:4輪ともブレーキが効くかどうか
  • スピードメーター測定:スピードメーターが正常か

予備検査後に不具合箇所があればしっかり整備を行い、本検査に備えておきましょう。

必要書類

予備検査に必要な書類は、予備検査の目的により必要書類が異なります。

ナンバーの無い車の予備検査

登録識別情報通知書(一時抹消登録証明書)もしくは自動車検査証返納証明書(軽自動車)、譲渡証明書、認印(個人)もしくは社印(法人)が必要です。

ユーザー車検前の予備検査

自動車検査証、印鑑、自動車納税証明書、自賠責証明書が必要です。予備検査付きの車を購入または譲り受けた場合は、下記書類になります。
自動車予備検査証(有効期限内のもの)車庫証明、実印(購入者)、印鑑証明書(実印を証明するもの)、自賠責保険証書が必要です。

まとめ

予備検査についてまとめると、

  • 個人売買等のナンバー無しの場合と、車検前の予備検査では目的が異なる
  • 予備検査を受けることで、車の売買や車検を円滑に進めることができる
  • 予備検査の目的で必要書類が変わるので、事前にチェックする

正しい手続き方法と目的を覚えて、予備検査を行う際に参考にしてみてください。

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