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2022年5月28日

新車の無料点検の目的は?受けた方がいいのかや法定点検との違いも紹介

新車を購入するとディーラーから1ヶ月点検6ヶ月点検といった無料点検を案内されます。

購入してすぐの点検になるのでその内容や受けるべきなのかどうかが気になる方も多いでしょう。

無料点検は車に初期不良がないかの確認にもなるので受けておいて損はありませんが、中には受けなくても問題がないケースもあります。

ここでは新車の無料点検についてその目的や内容、さらに法定点検との違いなどを詳しく紹介していきます。

新車の無料点検の目的

新車の無料点検は一体何のために行われるのでしょうか。

新車の無料点検がどういった点検なのか確認しながら、その目的を見ていきましょう。

新車の無料点検とは?

新車の無料点検は新車購入後にディーラーで受けられる車の点検で、最初の法定12か月点検までに次の2回行われます。

  • 1ヶ月点検(もしくは走行距離1,000kmに達した時点での点検)
  • 6ヶ月点検(もしくは走行距離5,000kmに達した時点での点検)

名前の通りどこのメーカーもディーラーを通して無料で提供しているサービスです。

ブレーキやエンジン等の日常的な点検が主ですが、車にあまり詳しくない場合はプロの整備士に点検してもらえると安心感があります。

また特に1ヶ月点検では車を使ってみてよくわからない点や気になる点を整備員に確認できるいい機会になります。

点検のついでに愛車への理解も深めてください。

新車の無料点検で初期不良を確認

新車を購入して1か月や6か月だとほとんど使っていないことも多く、なぜ点検が必要なのかよくわからない方もいるでしょう。

確かに新車がいきなり故障することはあまりないかもしれませんが、絶対に初期不良がないとは限りません。

車の場合もしエンジンやブレーキに初期不良があれば大きな事故につながってしまう可能性もあります。

1か月点検や6か月点検は車をある程度使った後で出荷時に見つからなかった異常が出ていないかを点検してもらえるため、車により安心して乗るために大切な点検といえます。

しかもディーラーの点検で異常が見つかればそのままメーカー保証で修理してもらえるでしょう。

新車を買ったばかりでもう点検なのかと面倒に感じるかもしれませんが、特に自分で整備点検をなかなかすることがない場合は受けておいた方が安心です。

新車の1ヶ月点検

新車の1ヶ月点検では一体どんな点検が行われるのか、点検項目や所要時間を確認しておきましょう。

購入から間もない点検なのでシンプルな内容で時間もあまりかかりません。

新車の1ヶ月点検の点検項目

新車の1ヶ月点検の点検項目は次のような内容になります。

  • エンジン関係
  • ブレーキ関係
  • ハンドル関係
  • 動力伝達装置
  • 下回りの点検

この中で特に重要な確認について詳しく見ていきましょう。

オイル漏れの確認

1ヶ月点検では車の下回りもチェックされますが、これでわかるのはオイル漏れを起こしていないかどうかです。

下回りの点検で確認できるオイル漏れの項目はメーカーによって若干変わりますが一例を紹介します。

  • エンジンオイル漏れ
  • ステアリングギアボックスからのオイル漏れ
  • パワーステアリング機構のオイル漏れ
  • ディファレンシャルのオイル漏れ
  • ブレーキ配管のオイル漏れ

オイル漏れは経年劣化によっておこることが多いものの、機器に異常があれば新車でも起こりえます

エンジンオイルは漏れていないかとともに量や状態もチェックされ、必要であればオイル交換を提案されることもあります

ただしオイル交換は多くの場合で有料になるので注意しましょう。

ブレーキの確認

ブレーキペダルやパーキングブレーキが正常に作動するかどうかは車の安全にダイレクトに関わる問題です。

そのため1ヶ月点検ではブレーキのチェックが慎重に行われます。

整備士が実際に車の室内に入り、ペダルを踏んだりパーキングブレーキを引いたりして適切な状態かどうか確認してくれます。

ブレーキは少し踏んだだけでは効かないようになっていて踏んでも効かない部分を遊びと呼びますが、1ヶ月点検ではその遊びが適切かどうかも確認事項です。

またブレーキペダルを踏み込んだ時にできる床との隙間が適切かどうかも見てもらえるでしょう。

エンジンルームの確認

エンジンは車の心臓とも呼べる箇所で、エンジンに異常が出ていると最悪車が動かなくなります

1ヶ月点検ではエンジンルームを開けたうえで、問題がないかしっかり点検されます。

エンジンルームの点検項目の例はこちらです。

  • 点火時期
  • エンジンの低速や加速の状態
  • エンジンオイルの量や状態、オイル漏れがないかどうか
  • トランスミッションやトランスファーのオイル量やオイル漏れがないかどうか
  • ブレーキ液量やクラッチ液量
  • エンジン冷却水の量
  • 燃料もれ

エンジンの点火時期や低速・加速の状態は自分ではなかなか点検が難しい項目ですが、1ヶ月点検では実際にエンジンをかけたうえでチェックしてもらえます。

エンジンルームを点検することでより早めに異常に気付き、重大な故障を起こすリスクを下げられるでしょう。

新車の1ヶ月点検にかかる時間

新車の1ヶ月点検に行くかどうか迷う理由の一つに、時間がかかるのではないかとの思いがあるかもしれません。

ただ1ヶ月点検は基本的な点検で項目も多くないため、30分から1時間程度で終わることがほとんどです。

法定点検のように半日かかったり車検のように数日かかったりすることはないので、店舗に車を持って行ってそのまま乗って帰ることができます。

サービスで洗車をしてくれることがありますが、その場合も所要時間は大きく変わりません。

土日も空いている店舗がほとんどなので、1ヶ月点検のために仕事の調整をする必要もないでしょう。

ただ混んでいると待ち時間が発生するかもしれないため、あらかじめ予約をしておくようにしてください。

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新車の6ヶ月点検

新車の6ヶ月点検も1ヶ月点検と同じように車の重要箇所の基本的な点検が主になります。

ただ1ヶ月点検時より走行距離が増えているのもあり点検項目が若干増えることが多いです。

具体的な点検項目を見ていきましょう。

新車の6ヶ月点検の点検項目

新車の6ヶ月点検の点検項目をまとめました。

  • エンジン関係
  • ブレーキ関係
  • ハンドル関係
  • 動力伝達装置
  • 下回りの点検
  • タイヤや外回りの点検

1ヶ月点検の項目にプラスしてタイヤや外回りの点検も行われます。

タイヤの点検ではタイヤの空気圧に加えて、溝の深さや摩擦の状態さらに傷がないかなどタイヤの状態も確認されます。

外回りの点検内容はワイパーやウインドウォッシャーが正しく作動するかや、各種ライトがきちんと点灯するかどうかです。

エンジンや下回り等その他点検項目でも1ヶ月点検より詳しく見られることがあります。

メーカーによって変わりますが、サスペンションの状況やシートベルト、それにバッテリーの状態も確認してもらえるかもしれません。

また6ヶ月や走行距離5,000kmはそろそろオイル交換を考える時期でもあります。

エンジンオイルのチェックは点検項目に入っているので、交換を提案されたらそのまま依頼してもいいでしょう。

ただオイル交換は有料になることがほとんどなので、費用の確認をしておいてください。

新車の6ヶ月点検にかかる時間

1ヶ月点検より詳しく点検されると聞いて6ヶ月点検は時間がかかるのではと思った方もいるかもしれません。

ただ新車の6ヶ月点検は1ヶ月点検より点検項目は増えるものの、所要時間はほとんど変わらず30分から1時間程度です。

事前に予約して優先的に点検してもらえるようにしておけばオイル交換をしたとしてもこれくらいの時間で終わってしまいます。

無料で重要箇所を点検してもらえて時間もあまりかからないのでメリットが大きいです。

店舗でそのまま待つ方が多く、待合室がある場合は雑誌などがある場合があります。

ただ本やスマホゲームなど暇つぶし用のアイテムを持って行く方が有意義に時間がつぶせるでしょう。

新車の無料点検を受けないと問題はあるのか

新車の無料点検は乗り始めて間もない愛車のコンディションをプロにチェックしてもらえるサービスなので受けておいて損はないです。

ただ中にはどうしても時間が取れない、ディーラーまで遠く行くのが面倒だ、といった理由からあまり積極的に受けたくない方もいるのではないでしょうか。

無料点検を受けないと問題があるのかどうかですが、法的な問題は何もありません

新車の無料点検は12ヶ月点検や24ヶ月点検のように絶対に受けないといけないと法律で定められたものでなく、あくまで任意のメンテナンスになります。

無料点検を受けると整備手帳に記載してもらえるものの、気にしない方もいるでしょう。

もし日常点検を定期的に行っていて、なおかつエンジンオイルの交換などのメンテナンスもきちんとしているのであれば、新車の無料点検を受けなくても大きな問題が出る可能性は低いです。

ただ日ごろの点検に自信がなかったり部品交換はディーラーにお任せしたい場合は、受けておくメリットが大きいのではないでしょうか。

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無料点検と12ヶ月点検・24ヶ月点検の違い

先程から何度か新車の無料点検と対比して12ヶ月点検や24ヶ月点検の名前を出しました。

12ヶ月点検と24ヶ月点検とは法律で受けることが義務付けられた法定点検で、任意の新車の無料点検とは性質が異なります。

法定点検について詳しく見ていきましょう。

12ヶ月点検とは?

12ヶ月点検は1年ごとに行う車の定期点検です。

法定点検とはいうものの受けなくても罰則などはないのですが、車の所有者には車の故障を防ぎ安全に走らせるために12ヶ月点検を受ける義務があります。

また新車の場合購入から1年後と2年後に12ヶ月点検を受けることになりますが、受けていないと車に不具合が出た時にメーカー保証の対象外になる可能性があります。

忘れている人も多いのですが、思い出したらすぐにでも受けておくようにしてください。

12ヶ月点検の点検項目は27項目で、費用は車種によって変わりますが10,000円から20,000円程度です。

所要時間は2時間から半日程度で、ディーラーはもちろんカー用品店や車検専門店さらにガソリンスタンド等でも受けられます。

24ヶ月点検と車検の違い

24ヶ月点検も12ヶ月点検と同じ法律で義務付けられた定期点検で、新車の場合は購入から3年後に、その後は2年ごとに受けます。

点検項目は12ヶ月点検より多い57項目で、安全に走行できる状態かどうか車のコンディションをしっかりと確認します。

24ヶ月点検の特徴は通常車検と同時に行われる点で、中には24ヶ月点検と車検は同じものと思っている方もいるかもしれません。

でも実は24ヶ月点検と車検は全く違います

車検は車が安全基準を満たしているかどうかをチェックするための検査です。

あくまで車検時に基準通りかどうかを見るもので、その次の月には交換が必要になりそうな部品があっても問題になりません。

一方24か月点検等の法定点検では、車が安全に走行できるかどうか点検し、問題があれば整備をします。

例えば車検を通すだけなら問題なくても、24ヶ月点検で車検後にすぐ問題が出そうな部品が発見されれば交換をすすめられるでしょう。

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まとめ

通常ディーラーではサービスとして無料で新車の1ヶ月点検や6ヶ月点検を行っています。

無料点検はエンジンルームやブレーキ、さらにオイル漏れがないかを中心に見る日常点検のようなシンプルな点検ではあるものの、車の初期不良を見つけられるのがメリットです。

面倒に思う方もいるかもしれませんが、点検時に整備士に車について質問したり気になることを確認したりすることもできます。

新車の無料点検は12ヶ月点検や24ヶ月点検のような法定点検ではないですが、時間もそんなにかからないので受けておいた方が安心でしょう。

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