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2022年1月7日

車両保険は必要?判断基準と補償内容を解説

自動車保険に車両保険を加えると保険料は高くなってしまいます。そのため、

  • 「車両保険は本当に必要なのだろうか?」
  • 「そもそも車両保険はどんなときに補償されるのだろうか?」

そんな疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

たしかに車両保険は必要だと考えられるケースと必要ではないと考えられるケースもあるため一概に絶対必要とはいえません。

そこでこの記事では車両保険の必要性や補償内容、使用した場合の等級の変化や保険料を安くする方法など具体的に解説していきます。

車両保険をつける必要性

車両保険をつける必要性は本当にあるのでしょうか。

ここでは必要性が高い3つのケースと必要性が低いケースについてそれぞれ比較しながら見ていくことにしましょう。

車両保険の必要性が高い3つのケース

自動車保険に車両保険を加えておいた方が望ましいケースは次の3つになります。

新車、高級車に乗っている方

新車や新古車それに外国車といった高級車を購入した場合は車両保険に加入しておいた方がよいでしょう。

特に高級車は多少のキズやパーツの不具合でも修理費用がとても高額になってしまうことがよくあるため、車両保険の加入をおすすめします。

また自然災害や盗難・いたずらなどの予測できない損害が発生したとしても、車両保険の補償によって新しい車を買い替えることも可能になります。

車両保険の保険金額は車の評価額が高い場合に有利になるのが一般的なので、新車など市場価格が高いときに加入するのがお得であるといえます。

免許取り立ての方、運転に自信がない方

免許取り立てで初心者マークを付けている方や運転に不慣れな方は、車に傷をつけてしまうといった事故を起こしてしまう可能性があります。

このような方々の場合は大きな事故を起こしてしまうことも十分考えられるため、もしものときに備えて車両保険に加入しておくようにしましょう。

運転に自信のない方の場合、運転中常に不安でいることも少なくありません。

車両保険に加入しているということだけで平常心を保てることもあるため、検討してみてはいかがでしょうか。

ローンが残っている方

新車をマイカーローンなどで購入し、まだ残高が車両価格の30%以上ある場合は車両保険に加入するのが得策です

多額のローンを抱えた状態で事故を起こし廃車にしてしまった場合、残ってしまったローンを払い続けながら新しい車を買い替えることになるので多額の出費となってしまいます。

しかし車両保険に加入しておけば補償金額を残りのローン返済に充てることが可能になるので、自己負担を最小限に抑えることができます。

事故は突然起こるものなので、多額のローンがある方はくれぐれも注意しましょう。

車両保険の必要性が低いケース

自動車保険に車両保険を加える必要性が低い場合として、次のケースが考えられます。

購入してから年数が経った車に乗っている方

車両保険の補償額は車の時価といった評価でも決まるため、購入してから年数が経った古い車では補償額が低くなってしまいます。

一方車両保険金額は年々少しずつ下がりますが、保険料はそれほど変わらないのでこうした車に乗っている場合は無駄に支払うことになってしまいます。

目安としては新車から10年ほどが経過後に車両保険金額を確認し、万が一の事故に遭遇した場合にいくら補償されるかを把握しておきましょう

ローンがなく、貯蓄がある方

もしもの事故が起き修理が必要になった場合でも、ローンがなく貯蓄がある方は車両保険を付け加える必要がないでしょう。

車を買い替えることができる程度の貯蓄がもしあるのであれば、修理が複数回あったとしても費用を十分支払えるでしょう。

車両保険は付けていれば安心ですが、ただ付けていてもお金の無駄になります。

車両保険は付けなければ保険料は大幅に削減できるので節約にもなります。

車両保険の補償内容

では車両保険はどのようなことを補償してくれるのでしょうか。具体的に見ていくことにしましょう。

車両保険とは何か

車両保険は車の事故や不具合が生じた際に自分の車の損害を補償する自動車保険の一種です。例えば

  • 事故によって発生した自分の車の修理費
  • 自分の車が廃車になってしまった際の買い替え費用
  • 当て逃げされた場合などの修理費

などが補償される保険です。

車両保険の2つのタイプ

車両保険と一口にいっても実は2種類あることをご存じでしょうか?

「一般型」と「限定(エコノミー)型」とがありますが、それぞれ具体的に見ていくことにしましょう。

一般型

一般型は補償の範囲が広いことが特徴です。

例えば壁や電柱・ガードレールにぶつけるといった対物の自損事故が補償内容にあたります。

それに加えて車にぶつけた相手が不明もしくは逃げてしまった当て逃げ、車が傷つけられてしまった飛び石、盗難についても補償されます。

なお補償内容は各保険会社によって異なるので、注意が必要です。

限定(エコノミー)型

一般型に比べ保証範囲が狭くなりますが保険料は安いため、保険料の節約を重視する方にはおすすめの保険といえます。

また、もしもの事故やトラブルの際に「車両保険は付け加えたいが保険料は節約したい」という方にもおすすめです。

主な事故の種類 一般型 限定(エコノミー)型
盗難・火災・台風・洪水・高潮・爆発
原付自転車を含む他車との接触・衝突により、相手の車やその運転者または所有者が判明した場合
原付自転車を含む他車との接触・衝突により、相手の車やその運転者または所有者が不明の場合(当て逃げなど) ×
壁や電柱など車以外のモノとの接触・衝突 ×
窓ガラスの破損や落書き
何者(相手が不明)かにぶつけられたなど駐車中の車両損害 ×
いたずら
地震、噴火、それに伴う津波 × ×

車両保険を使用した場合の等級の変化

自動車保険の保険料は様々な条件により算出されています。主な条件としては

  • 契約者の年齢
  • 契約車種やグレード
  • 免許証の色

などになります。

また自動車保険の等級は保険料算出の際に用いられている基準で、契約車1台につき契約期間中の事故歴で保険料の割引や割増率を決定しています。

自動車保険の等級は1等級から20等級までありますが、初めて自動車保険に加入した方は6等級からのスタートとなり、無事故の場合は翌年の等級が上がって保険料も安くなります。

下がるケース

車両保険を使用すると等級が下がるだけでなく「事故あり等級」が適用されます。

この「事故あり等級」とは同じ等級であっても事故あり係数が適用される場合とされない場合(無事故)とで割引率が異なることを意味しています。

また事故内容によって3等級ダウン事故と1等級ダウン事故などがあります。

3等級ダウン事故は1件の事故で翌年から3等級下がり、

  • 他車との衝突で自分の車を修理する場合
  • 電柱に車をぶつけ自分の車を修理する場合
  • 当て逃げされ自分の車を修理する場合

などがこれに該当します。

一方1等級ダウン事故は1件の事故で翌年から1等級下がり、

  • 盗難によって車両保険金が支払われる場合
  • 水災に遭遇し自分の車を修理する場合
  • 車にいたずらされ車両保険金が支払われる場合

などがこれに該当します。

下がらないケース

一方自動車保険を使用しても使用しなかった場合と同じように翌年も等級が上がる事故もあります。

これをノーカウント事故と呼びます。ノーカウント事故は

  • 事故により契約者に乗っていた人が死傷し人身損害保険を適用した場合
  • 自転車による人身事故で個人賠償特約を適用した場合
  • ファミリーバイク特約や弁護士特約を適用した場合

などが該当します。

車両保険の保険料を安くする方法

車両保険は自分に必要な補償がきちんと付いた上で、保険料はなるべく安く抑えたいところです。

車両保険の保険料を安くする方法はあるのでしょうか?

具体的に見ていくことにしましょう。

見積もりを比較する

車両保険を検討する際に重要なのが複数社から見積もりを取って比較することです。

契約内容を同一にしての比較や、同様の補償内容で複数の損害保険会社を比較するとわかりやすく把握することができます。

保険会社や保険代理店に直接依頼しなくても見積もり程度であればインターネット上で簡単に受け取れるため、積極的に活用してみましょう。

さらに契約更新する際も複数社から見積もりを取って保険料の比較を行ないましょう

例えば同じ契約内容でもその損害保険会社が保険料率の改定を行った場合、翌年から保険料が変更になります。

毎年見積もり比較を行なう必要はないものの、数年に1度程度は契約更新前に複数社から見積もりを取り直すようにするとよいでしょう。

免責金額を設定する

自動車保険に車両保険を付ける際、保険料を節約する方法として免責金額の設定が挙げられます。

車両保険は免責金額つまり自己負担の額を設定することができます。

例えば自分の車が何らかの損害にあった際、自分で支払う金額を事前に設定しておくことで保険料の節約が可能になります。

免責金額の設定は通常、保険契約期間中の1回目の事故と2回目以降の事故について行ないます。

設定方法は損害保険会社で違いますが、0〜3万円それ以上は5万円ごとに20万円まであり選択できるのが一般的です。

ただし免責金額を設定した場合でも修理費がそれほどかからなかった場合は自費で支払い、補償を受けない方が得なこともあります

例えば修理代が15万円のうち免責金額が10万円だった場合、車両保険で5万円が補償されます。

しかしこのような際受け取る保険金より翌年の保険料アップ額の方が大きくなるため、補償を受けない方がよいでしょう。

まとめ

車両保険は車の事故や不具合が生じた際に自分の車の損害を補償する自動車保険の一種で新車や高級車に乗っている方や運転に自信のない方、ローンが残っている方などは加入した方がよいでしょう。

車両保険には補償範囲の広い一般型と、補償範囲の狭い限定(エコノミー)型といった2種類あるため自分に適したものを選択するようにしましょう。

また車両保険を適用した場合翌年から等級が下がってしまうのが一般的で、事故内容によって3等級下がるケースと1等級下がるケースがあります。

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