雨が降った時にしか意識しないので忘れがちですが、車の部品の中でワイパーも定期的に交換が必要な消耗品です。
業者で交換してもらうことはもちろん、自分で交換するすることを考えている方も少なくないでしょう。
この記事ではワイパーの種類や選び方も見ていきながら、ワイパー交換にかかる費用や自分で交換する手順、さらにワイパー交換のタイミングの見極め方等を紹介します。
目次
ワイパーの種類
ワイパーを交換するにはまず交換用のワイパーを購入する必要がありますが、ワイパーには沢山の種類があります。
前提として、ワイパーはワイパーアーム、ワイパーブレード、ワイパーゴムの3つの部分で構成されています。
その中で定期的な交換が必要なのは、ガラスに密着して水気を拭き取るワイパーゴムとそのワイパーゴムを抑えるワイパーブレードです。
ワイパーブレードの種類
ワイパーブレードをどのタイプにするかどうかで車の雰囲気が変わります。一体どんな選択肢があるのでしょうか。
トーナメントワイパー
トーナメントワイパーは上から見た時に大小の部品がトーナメント表に似た形に繋がった形をしています。
一番よく見かけるワイパーブレードの形状で、点でワイパーを支えるためカーブを描くガラスの面にフィットしやすいのが特徴です。
フラットワイパー
フラットワイパーはゴムが一体になったワイパーブレードで、高速走行でもしっかり水滴を拭き取れるのが特徴です。
デザイン性にも優れていますがゴムが取り外せずゴムだけ劣化してもブレードごと取り換える必要がある場合があります。
エアロワイパー
エアロワイパーは空気抵抗で風にあおられても窓ガラスから離れない構造になっているのが特徴です。
樹脂で覆われたシンプルでスタイリッシュな見た目で、車の外観にこだわる方からも支持を集めています。
ワイパーゴムの種類
ワイパーゴムは一見同じようにみえますが、コーティングによって性能に差があります。
ノーマルタイプ
ノーマルタイプは特別な加工がされていない普通のゴムが使われています。価格が他のタイプに比べて安くなっています。
グラファイトタイプ
グラファイトタイプは炭素加工がされたゴムでできています。
ゴムとガラスの摩擦が起きにくくする効果があり、撥水コートがされて水滴が付きにくいガラスでもスムーズに動作します。
撥水タイプ
撥水タイプは撥水コートされたゴムでできたワイパーゴムです。
ガラスに撥水コートをしていない場合にも、ゴムで撥水効果をプラスすることができます。3つのタイプの中で一番価格が高いです。
最適なワイパーの選び方
ワイパーブレードもワイパーゴムも種類があるので、交換の際にどれにするか選ぶのがなかなか難しいです。
まず自分の車に合ったものを選ぶ必要がありますが、価格や性能も考慮しましょう。
自分の車の車種に適合するワイパーを選ぶ
純正商品以外から選ぶ場合、自分の車の車種に適合する商品を選ぶことが何より大切です。
注意すべきなのは長さとワイパーブレードならそれに加えてアームに取り付けるねじやフックの種類、ゴムだけの場合は幅です。
ワイパーを扱うお店にはほとんどの場合適合表が置いてあります。
適合表を見る時は車種だけでなく年式もあわせて確認するようにしてください。
自身の予算に応じたワイパーを選ぶ
適合するワイパーだけでもかなりの種類があるはずですが、ある程度の予算をあらかじめ決めておくと候補を絞り込みやすいです。
性能が同等の場合純正より一般の店舗で販売されている商品の方が低価格で手に入ることが多いでしょう。
ワイパーゴムだけ変える場合純正のワイパーブレードに純正以外のゴムが合わない場合があるので、事前によく確認しておきましょう。
見た目や性能からワイパーを選ぶ
価格である程度絞り込んだら次はそれぞれの商品の性能や外観を詳しく見ていきましょう。
デザイン性と価格のどちらを重視するかでブレードの好みは変わるでしょう。
またガラスに撥水コートをしているならグラファイトタイプ、撥水コートしていないなら撥水タイプなどフロントガラスの状態と照らし合わせてより合うものを選ぶことで、付け替えた後の満足度やゴムの持ちを変わってきます。
ワイパー交換料金の比較
ワイパーを交換する場合は「業者に頼むかどうか」、「どの業者に頼むか」によって費用が大きく変わります。
代表的な業者でかかる料金の種類や相場、また自分で交換する際の費用などを見ていきましょう。
ディーラーで交換する場合
純正ワイパーで交換後も新車購入時と変わらぬ性能を維持したい場合は、ディーラーで交換してもらいましょう。
ただ純正品は市販品と比べてどうしても値段が高めですし、ディーラーの工賃は他の業者に比べて高くなります。
ワイパー2本でワイパーブレードの値段が5,000円前後、ワイパーゴムだけだと2,000円前後、これに加えて工費を2本で1,500円ほど見ておいてください。
カー用品店・ガソリンスタンドで交換する場合
カー用品店やガソリンスタンドで交換する場合、商品代も工賃もディーラーに比べてお得になります。
ガソリンスタンドの場合は商品が限られてしまいますが、カー用品店の場合は沢山の品ぞろえの中から好きなものを選ぶ楽しみもあるでしょう。
性能にもよりますがワイパーブレードは2本で2,000円から、ワイパーゴムなら800円程度から見つけることができ、工賃も2本で700円前後で済むことが多いです。
中には工賃無料で対応してくれるケースもありますが、店舗でワイパーを購入しない場合は工賃が上がるか受け付けてもらえないこともあるので注意してください。
自分で交換する場合
自分で交換する場合は業者に頼む場合と違い工賃がかからないのでその分が節約できます。料金的には一番安く収まる方法です。
かからなかった工費分をワイパー代に上乗せしてより性能が高い商品を選ぶのもいいですし、工賃分をそのまま節約に回してもいいでしょう。
自分でワイパー交換する方法
ワイパーの交換はワイパーブレードごと交換する場合もワイパーゴムだけ交換する場合もさほど難しくありません。
ここでは自分で交換する方法を簡単に紹介します。
ワイパーブレードの交換方法
ワイパーブレードの交換はワイパーアームからワイパーブレードを取り外し新しいワイパーブレードを取り付ける手順になります。
ワイパーアームとブレードの接続にはねじやU字フックが使われますが、より一般的なU字フックの例をさらに具体的に見ていきましょう。
- ワイパーブレードを取り外す前に向きを確認する
- ワイパーが跳ねた拍子にガラスが傷つかないようにタオルを挟む
- ワイパーをゴムを下向きにして立てる
- ワイパーアームとブレードの付け根にある取り外し用のボタンやレバーを押しながらブレードをアームの方向に一旦押し出して取り外す
- 最初に確認しておいた向きの通りに新しいワイパーブレードを嵌め込む
交換が終わったら必ずウォッシャー液を出したうえで動作を確認してください。
ワイパーゴムの交換方法
ワイパーゴムの交換の手順はこちらです。
- ワイパーとガラスの間にタオルなどを置きワイパーを立てる(ゴムが下向きになるようにする)
- ロック用の穴がある方からワイパーブレードからワイパーゴムを引き抜く
- ロック用の穴がない方から新しいワイヤーゴムをワイヤーブレードの爪に通していく
- ゴムの穴にストッパーのつまみを嵌め込む
手が届きにくい場合やゴムが劣化してなかなか外れない場合は無理に引っ張らず、ワイヤーブレードも外してください。
ワイパー交換のタイミング
ワイパーの交換はどのようなタイミングで行うものなのでしょうか。
定期的な交換が必要ですが、劣化が目立つ場合は定期メンテナンスの時期が来る前に交換した方がいいこともあります。
一般的な寿命に達したとき
まずワイパーは一般的にどれくらい使えば寿命になるのかですが、ワイパーゴムは半年〜1年、ワイパーブレードは1年〜2年です。大体2回に1回はブレードもまとめて交換する計算になります。
交換時期が来ても車はあまり使わないし、雨の日に走った覚えもあまりないからワイパーはまだ大丈夫だろうと思うかもしれません。
ただワイパーゴムはゴムである以上使う使わないによらず時とともに劣化していきます。
車を使う頻度に関係なく定期的にメンテナンスしておくようにしたいです。
ワイパーブレードが劣化したとき
交換時期に関わらずワイパーブレードが劣化したなと感じたら、早めに交換しましょう。
ワイパーブレードは目視で確認した時にサビていたり、手で動かした時にガタガタしたりする場合は劣化が進んでいるといえます。
見た目は問題なくてもワイパーを使った時に拭き方が均一でないなら、ゴムだけでなくワイパーブレードも交換時期が来ているかもしれません。
ワイパーゴムが劣化したとき
ワイパーゴムも長い間変えずにいたり高温や雪などの厳しい環境にさらされたりすると、目で見てわかるほど劣化することがあります。
ひび割れしていたり変形してしまっているときちんと拭けないだけではなく、ガラスに傷をつけてしまう恐れもあるので気を付けてください。
またゴムが劣化すると当然拭きムラやにじみがでます。
ワイパーを使っても前のように視界が良くならないと感じたら、早めにゴムの状態を確認し交換してください。
ワイパーを長持ちさせるポイント
ワイパーの交換にかかる費用はそんなに大きくないですが、できるなら交換期限ぎりぎりまで長く使いたいものです。
ワイパーを長引かせたいならお手入れ方法や劣化を遅らせるポイントを抑えておきましょう。
こまめにワイパーを拭き取る
まずワイパーは洗車などの際にゴムの部分をこまめに拭き取るようにしてください。
ワイパーゴムに汚れが付いていると、動かした時に余計な摩擦が生じでゴムの劣化を早めてしまいます。
ワイパーを拭き取るのに特別な道具はいりません。普通の布巾やタオルで十分です。
ウォッシャー液を噴射して湿らせてからワイパーを動かす
フロントガラスが乾いた状態でワイパーを動かしたい場合は必ず先にウォッシャー液を噴射します。
車を運転してフロントガラスの汚れが気になったらワイパーで拭こうとする方も多いですが、乾いたガラスの上にワイパーを動かすのはワイパーゴムとガラス両方のダメージにつながります。
ガラスの汚れをワイパーで掃除しない
駐車場に止めておいた車のフロントガラスに汚れが付いていた場合は、車に乗ってからワイパーで掃除するのではなくできるだけ車を走らせる前に水拭きなどで汚れを落してください。
埃で少し汚れている程度ならウォッシャー液とワイパーで何とかなりますが、汚れがひどい場合はワイパーに負担をかけすぎてしまいます。
雪の日や夏場の炎天下ではワイパーを立てておく
真冬の雪の日や夏の炎天下に屋外に駐車しないといけない場合はワイパーを立てておきましょう。
ガラスが凍結したり逆に温度が上がりすぎるとワイパーゴムがガラスに貼り付くため、そのまま動かすと故障につながる可能性があります。
万が一張り付いた場合は冬ならぬるま湯か夏なら水をかけると剥がしやすくなります。
雪が多い地域にお住いの場合は冬の間は雪用のワイパーに付け替えることも検討してみてください。
ガラスの撥水コーティングをする
フロントガラスに撥水コーティングしておくとワイパーの持ちが良くなります。
コーティングによってワイパーを動かす際の抵抗が減り、さらにガラスに花粉やほこりなどの汚れも付きにくくなるからです。
ガラスの撥水コーティングはスプレーなどで簡単にできますし雨の日の視界も良くなるので、一度検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はワイパーの交換について詳しく紹介しました。
ワイパーは性能を落とさないためにワイパーゴムやワイパーブレードを定期的に交換する必要があります。
ワイパー交換はさほど難しくないため自分でもできますし、業者に頼んだとしてもさほど費用は掛かりません。
ワイパーブレードにもワイパーゴムにもいくつか種類があるので、価格や性能を見比べながら選ぶのも楽しいですよね。
ただワイパーを選ぶ際は車の型と年式に合ったものを選ぶようにしてください。