車検整備/部品

2021年5月30日

車検の車高の測定基準は何センチ?測定方法についても解説!

車検の際、合格するためには何センチといった車高の基準というものがあるのでしょうか?車検は車が公道で安全に走れるかどうかを保安基準に照らしながら検査するものですが、安全な走行を保つことができる車の高さとは、いったいどのくらいなのでしょうか?そこで今回は、車高とは何か?車検の際の車高基準はどのくらいなのか?車高を正しく測るためにはどのようにすればよいのか?また、車高が車検の基準に満たしていなかった場合、どのように対処すればといのか、といったことを具体的に見ていくことにしましょう。

車高(最低地上高)の測定基準は何センチ?

車高は正式には「最低地上高」と呼び、水平な地面から自動車の一番低い箇所までの垂直距離のことを指します。
保安基準では9cm以上の高さが必要と謳われているため、車検でもこの保安基準に照らし合わせながら検査が行なわれます。
また、「自動車の一番低い箇所」は、

  • 誰も車に乗っておらず、モノも置かれていない空車状態であること
  • エアロパーツやロアアームは該当しないこと
  • 前輪と後輪の真ん中を測る

といったことを条件としています。ですので、基本的には最低地上高が9センチ以上あれば、車検に通すことはできます。

車高の正しい測定方法

車高は、以下の計測条件を満たしていることが重要となります。

空車状態

人が乗車していたり、大きく重い荷物が積まれていると車が沈んでしまうため、車高が通常よりも低くなってしまいます。そのため、正確に測るには空車でなければなりません。

タイヤの空気圧が規定値である

タイヤの空気圧を規定値にしてから測ることも重要です。タイヤの空気圧が規定値以下であったり、パンクしている状態だと、当然ボディが沈んでしまい車高は低くなってしまいます。逆に空気圧を上げると、車高は多少高くなってしまいます。そのため、車検では規定値を満たしている必要があります。
なお、タイヤの空気圧の規定値は、車種やタイヤサイズによっても違うため、運転席のドア開口部近くにある、貼付ラベルで規定値を確認するようにしましょう。

水平な場所で測定する

車高を測る場所が舗装されていないような凸凹のあるところの場合、各タイヤにかかる圧力も異なってしまうため、車高が変わってしまいます。また、傾斜のある場所も前輪、後輪で異なる圧力がかかるだけでなく、車自体が斜めになってしまうことから正確な車高を測ることができません。ですので、車は必ず舗装された平面に停め、巻き尺等を使用して測定する必要があります。

測定値の1センチ未満は切り捨てる

測定を行なう際は、1センチ未満のミリ単位はすべて切り捨て、センチ単位で測ります。

車高を調べる際の注意点

車高の測定対象は固定部品のみ

最低地上高の基準が適用されるのは、どのような箇所になるのでしょうか?それは、自動車のボディを含む構造物、つまり固定部品のみとなります。固定部品とは、

  • マフラー
  • ボルト
  • サスペンションメンバー
  • デフケース
  • デファレンシャルギア
  • オイルパン

などがこれに該当します。
一方、固定部品には該当しないものとして、

  • タイヤ
  • リアアクスル
  • スイングアーム
  • ロア・アーム

といったものが挙げられます。こうした固定ではなく、稼働する部品は最低地上高の測定対象とはならないため、自分で調べる際は注意しましょう。

車種により車高基準が異なる

大きな車は特に、最低地上高の基準となる高さが変わるので、注意しましょう。
より具体的に見ていくと、ホイールベースが
・300cm以上の場合、最低地上高は10cm以上
・350cm以上の場合、最低地上高は11cm以上
となります。また、タイヤの中心部から外側にとび出したオーバーハングの長さが
・73cm以上の場合、最低地上高は10cm以上
・82cm以上の場合、最低地上高は11cm以上
と高さが変わります。
自分で最低地上高を調べる際は、愛車の大きさで必要となる基準をきちんと調べておくようにしましょう。

車高が測定基準に満たない場合の対処方法

車検落ちした原因を特定する

車高が測定基準を満たさず車検落ちとなってしまう場合は、原因を特定し、修繕する必要があります。では、どのような場合、車検が通らなくなってしまうのでしょうか?

よくある審査落ちする原因と対策

マフラー/リアデフ部分

車検の際、車高は前輪と後輪の真ん中を測定します。その真ん中で一番低い位置にあたる部分がマフラーやリアデフ部分になります。一般的に、車高を低くしようとディーラーなど専門業者に依頼する場合は、マフラーやリアデフ部分が測定基準を下回ってしまうことはありません。しかし、自分でカスタマイズし車高調整する場合(構造変更手続きをすることなく下げられる車高幅は4cmまで)、測定基準をよく把握せず、マフラーやリアデフ部分が低くなってしまうことがよく起こります。自分で車高を低くする場合は、車高の測定基準をきちんと確認し、自信のない場合は専門業者にお願いするよう対策しましょう。

ウィンカー/フォグランプ部分

樹脂製のバンパーやエアロパーツは車高の測定基準の対象外となっており、その基準値は5cm以上が許容範囲となっています。しかし、ここで見落としがちな注意点があります。それは、フォグランプやウィンカーといった灯火類が付属されたバンパーやエアロパーツは、樹脂製であったとしても測定基準が9cm以上になるのです。そのため、バンパーやエアロパーツに灯火類がないかを確認し、ある場合は車高を9cm以上になるようにし、審査落ちを避けましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。車高とは最低地上高とも呼び、水平な地面から自動車の一番低い箇所までの垂直距離が9cm以上ないと、車検に通らなくなってしまいます。車高は車を空車の状態にし、タイヤの空気圧を規定値にし、水平な場所で測定するようにしましょう。

また、車高の測定対象はマフラーなどの固定部分のみで、稼働する部分は対象外となります。
車高が基準値を満たさず車検に通らない場合は、マフラー・リアデフ部分、ウィンカー・フォグランプ部分に原因がある場合がほとんどなので、事前に確認するようにしましょう。

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