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2021年10月1日

車の塗装に関する全知識!費用やメリット・デメリット、DIYの方法を解説

外観の劣化が気になったり何らかのアクシデントで傷がついてしまったことをきっかけに、車の塗装を考えることがあります。

塗装をして車が新車のように生まれ変わると嬉しいですが、塗装にはデメリットもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。

また、中には自分で車を塗装してみたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

ここでは車の塗装に関する基礎知識や費用相場、さらに車の塗装をDIYする方法などを紹介していきます。

車の塗装の種類

車の塗装に使われるカラーには3種類の風合いがあります。

同じ色でもどの種類を使うかで仕上がりの印象が変わってくるため、希望や好みに合ったものを選ぶようにしましょう。

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ソリッド

ソリッドは一番オーソドックスな単色カラーです。

黒や白それに赤や青など1色だけを使うため、自分で塗装する際に一番取り扱いやすいでしょう。色同士を混ぜて好みのカラーを作ることもできます。

耐久性があるため原則的に仕上げに使うクリア塗装を上塗りする必要はありません。

ただ、より耐久性を上げたり高級感を出したりするためにあえてクリア塗装され、2層コートにすることもあり、最近は2コートの比率が高くなっています。

メタリック

メタリックはソリッド塗料にアルミフレークを混ぜてラメが入っているような効果を出したカラーです。

メタリック塗装された車は1色で塗っても光の当たり方によって色味が変わって見え高級感が出ます。

一言でメタリックカラーといっても入っているアルミフレークの色や大きさには違いがあり、同じ色でもフレークによって華やかさや色味が変わります。

アルミ片が水に濡れたり長時間空気にさらされることで錆びてしまうのを防ぐため、メタリック塗料の上にクリア塗装をしてコーティングするのが必須です。

パール

パールはソリッド塗料にマイカ(石の雲母)の粒子を混ぜたカラーです。

マイカは鉱物の一種でフィルムのような薄い結晶が重なってできているため、光が多方向に反射します。

そのため光が当たるとパールのような色に輝くのが特徴で、上品な風合いになります。マイカの粒の大きさや色味にも沢山の種類があります。

マイカの粒子で塗った後表面がざらざらしてしまうため、表面を滑らかにするためにクリア塗装を重ねます。

車の全塗装にかかる費用

車の塗装を検討する際、やはり気になるのは費用でしょう。

車を全塗装するとするとおおよそ20万円の費用がかかりますが、車種や塗装方法により値段が変わります。ここではそれぞれの相場を見ていきましょう。

車種による違い

まずは車種による全塗装費用の違いからです。

車種によって塗装費用が違うのは単純に塗料の量や手間に違いが出るからです。当然大きな車種ほど費用が高くなります。

軽自動車又はコンパクトカーの全塗装費用 15〜20万円
SUV車又はワンボックスカーの全塗装費用 25〜30万円

車に凹みや傷がある場合はその部分を修復してからの塗装になるため、相場以上の値段になることもあります。

また高級車で部品交換が必要になる場合はさらに費用が上がります。

塗装方法による違い

次に塗装方法による費用の違いを見ていきましょう。先ほど紹介したソリッド塗装、メタリック塗装、パール塗装のどれを選ぶかで費用が変わります。

ソリッド塗装は下地とカラーの2層、メタリックとパールは下地とカラーとクリア塗装の3層になるため、メタリックとパールの方が費用は高くなります。

ソリッド塗装(元の車体と同色) 20〜35万円
ソリッド塗装(元の車体から色を変える) 25〜40万円
メタリック塗装(元の車体と同色) 26〜40万円
メタリック塗装(元の車体から色を変える 35〜50万円
パール塗装(元の車体と同色) 30〜45万円
パール塗装(元の車体から色を変える) 35〜50万円

仕上げに手間をかけたり特別な塗り方で依頼したりするとこれよりさらに費用が上がります。

車の全塗装に必要な期間

車の全塗装が仕上がるまでの期間は、元々の車体と同色で塗装するか別の色にするかで変わります。

  • 同色の場合 2週間〜1ヶ月
  • 別の色にする場合 1ヶ月半前後

塗装の際に一度部品を取り外すかどうか、ドアの内側まで塗装するかどうかでも必要な期間に違いが出ます。

また、依頼する業者のその時の混雑具合も影響するでしょう。

2週間以上車を預けないといけないため、通勤などで毎日のように車を使う方には負担になります。

見積もりをとる時に代車を借りられるかについても確認しておくようにしてください。

車を全塗装するメリットとデメリット

車の全塗装は車がきれいになるなどいいこともありますが、気を付けておきたいこともあります。

全塗装してから後悔してしまわないためにも、メリットとデメリットを両方知ったうえで決めるようにしたいです。

全塗装のメリット

まずは車を全塗装するメリットからです。

やはり車の外観を自分の好みに変えられたり、きれいになったりすることが最大のメリットでしょう。

事故やアクシデントで塗装が剥げてしまう以外にも、長く乗るうちに紫外線の影響などで自然と劣化してしまうことも珍しくありません。

そんな時全塗装があることで買い換え以外の選択肢ができます。

新車同様の見た目になる

車を全塗装すると長く乗った車でもまるで新車のような見た目になります。

車を買い替えたような新鮮な気分を味わえるでしょう。

車を自分好みの色に変えられる

新車を購入する時に予算の関係などで好きな色を選べなかったり、乗っているうちに好みが変わったりすることもあるでしょう。

この場合も全塗装で今の自分に合うカラーに変えられます。バイカラーなど個性的な色にも挑戦できます。

思い入れのある車に乗り続けられる

全塗装にかかる費用を考えると古い車の場合思い切って買いかえた方がいいのではと思うかもしれません。

ただし、その車に特別な思い出があったりすでにその車種が廃止されてしまったたりして買いかえを躊躇することもあります。

その場合は全塗装で外観をメンテナンスすることで、さらに長く乗り続けることができます。

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全塗装のデメリット

反対にクルマを全塗装するデメリットにはどんなことがあるのでしょうか。

やはり気になるのが車がオリジナルの状態ではなくなることです。将来的に車を売ることを考えているなら慎重に検討してください。

査定金額が下がるリスク

車を全塗装してしまうと車を売る時に査定金額が下がる可能性があります。特に色を変えてしまっている場合はカスタムカーと同じ扱いになり、買い取りを断られるかもしれません。

もし車にへこみなどダメージがありそれを修理するために全塗装をした場合は、塗装する前の状態よりは査定額が上がるかもしれません。

ただし、修理にかかった費用をカバーできるほど高く売るのは難しいです。

乗り換えの資金にするためにできるだけ車を高く売りたいと考えるなら、全塗装はリスクになります。

塗装には時間と費用がかかる

先ほども紹介したように車を塗装するとなると、少なくない費用と時間がかかります。

車の部品交換であれば正規品を使わないなど費用を抑える方法はあります。

しかし、塗装の場合は極端に費用が安かったり期間が短い業者に依頼してしまうと、仕上がりの質や耐久性に問題が出ることもあります。

安かろう悪かろうで塗装が剥がれてしまうと、車の性能には問題がなくても再塗装や買い替えを考える必要が出てきます。

何十万円の費用はなかなか簡単に出せるものではありませんが、車の塗装をするなら高額な費用と車を使えない期間を受け入れるしかありません。

塗装をDIYする方法

車の塗装をしたいが費用を少しでも抑えたいということで、自分で塗装することを考えている方もいるかもしれません。

塗装をDIYすることはできますが、それなりの準備は必要になります。必要なものやおおよその費用を見ておきましょう。

DIYで塗装をする際に必要なもの

まず、DIYで車を塗装するには次のものが必要になります。

耐水ペーパー 車を磨いてカラーをのりやすくする
シリコンオフ 塗装する前の洗車の仕上げに使う
プラサフ 下塗りに必要
カラースプレー 塗装のための塗料
クリア塗料 カラースプレーに上塗りする
ぼかし剤 色むらを抑えて自然に仕上げる
液体コンパウンド 仕上げに使って車の表面に光沢を出す
マスキングテープ ライトやガラスなど塗装したくない部分をガードする

これまで利用したことがないアイテムがあるかもしれませんが、カー用品店で購入できるものばかりです。

カラースプレーやクリア剤など車全体に使う場合はもちろん1本では足りず、30本以上必要です。

DIYで塗装をしたときの費用

車をDIYで塗装すると大体どれくらいの費用がかかるのでしょうか。DIY塗装に必要なものの値段は大体こうなります。

耐水ペーパー 1,000円前後
シリコンオフ 1,300円前後
プラサフ 600円前後
カラースプレー 1,000円前後
クリア剤 600円前後
ぼかし剤 800円前後
液体コンパウンド 800円前後
マスキングテープ 500円前後

カラースプレー1本で済む範囲のワンポイント塗装であれば費用は7,000円以下です。

さらに広範囲の塗装になると費用も難易度も上がっていきます。 またスプレーガンを利用する場合は追加で1,500〜2,500円ほど必要です。

塗装を長持ちさせる方法6つ

せっかく少なくない費用や手間をかけて車の塗装をするなら、できるだけ長持ちしてほしいと考えるのが自然です。

ここでは塗装を長持ちさせるためのポイントを紹介していきます。

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施工方法にこだわる

車の塗装を長持ちさせたいなら丁寧な下処理など施工方法にもこだわりましょう。

塗装する部分にさびや傷がある場合は、そのまま塗装を重ねるよりそれを下処理できちんと取り除くほうが費用はかさんでも塗装の持ちは良くなります。

塗装の色によっても耐久性が変わりますが、クリア塗装を厚めにするなどで耐久性を上げることもできます。

また部品はできるだけ取り外して塗装する方が出来上がりがきれいになります。

保管場所にこだわる

車の塗装を劣化させる原因は紫外線、水滴、鳥の糞、花粉など自然界にあるものが多いです。塗装を長持ちさせたいなら保管場所に気をつけましょう。

特に車の塗装の一番外側のクリア塗装を劣化させる紫外線は要注意。密閉されたガレージは無理でもせめて屋根付きの駐車場を選びたいです。

カバーをかける

どうしても屋根もなく吹きさらしの駐車場を利用する場合、カバーをかけるのも一つの手です。

この場合はカバーで塗装を傷つけないように、ぴったり合ったサイズのものを選んだり、カバーがズレたり風にあおられたりしないように注意してください。

洗車をする

空気中に漂うホコリや砂それに花粉等が車についたままになると、車の塗装が傷つくことがあります。

些細なことではありますが、こまめに洗車してホコリなどを取り除いてあげるだけでも塗装への負担は変わってきます。

洗車の際は水でしっかり汚れを洗い流してください。

コーディングを行う

コーティングも車の塗装を長持ちさせるのに役立ちます。

コーティング自体が傷や紫外線による色褪せから車を守る効果がありますし、汚れも落ちやすくなります。

特に全塗装した後は、定期的に車のコーティングをするようにましょう。

塗装以外の方法の紹介

車に凹みなどのダメージがなく気分転換に車の色を変えたいという場合は、塗装以外にフルラッピングも選択肢になります。

フルラッピングとは

フルラッピングと聞いてピンとこない方も、車体がイラストや広告に覆われたバスや電車のラッピングカーは見たことがあるのではないでしょうか。

フルラッピングは車体に薄いフィルムを貼り付けて外観を変える方法です。

宣伝車に使われることが多いですが、個人でも車体の色を変えるためにラッピングを利用できます。

ラッピングだとフィルムを剥がして元の状態に戻すこともできますし、他の色に貼り変えるのも塗装するよりは気軽にできます。

屋根だけ色を変えてバイカラーにするなど、デザイン性を持たすことも可能です。

塗装とラッピングの違い

塗装とラッピングの違いを一言で言うと、塗るか貼るかでしょう。

塗装は車の色を塗り変えてしまうのに対し、ラッピングは元の車の色はそのままに他の色のフィルムを車体に貼り付けます。

車の状態はそのままに着せ替えのように外観を変えられるのがラッピングです。

表現の幅が違う

塗装だと色を変えるかせいぜい線を引くくらいしかできませんが、ラッピングだとイラストなどよりデザイン性を持たすことができます。

プライベートの車ではあまりデザイン性を求めないかもしれませんが、業務用の車の場合ラッピングの方がより表現の幅が広がります。

施工期間が異なる

車を全塗装すると施工期間は2週間以上かかりますが、フルラッピングする場合は10日程度で完成します。10日間は決して短い期間ではありませんが、全塗装よりは早く仕上がります。

価格が異なる

コンパクトカーなど小さな車をフルラッピングする場合の費用は15〜25万円ほどです。決して塗装と比べて安いわけではありません。

特に大型車の場合はフィルムをたくさん使うため、塗装するより高くなってしまうことが多いです。

耐用年数が異なる

ラッピングのフィルムの寿命は長くても5年と言われています。一方車の塗装は腕のいい業者に頼むと10年以上持つ場合もあります。

車の色を塗り替えて元に戻すつもりがないなら、塗装の方がコストパフォーマンスが高いでしょう。

まとめ

車の塗装は決して安くない費用がかかりますが、今乗っている車に愛着や思い入れのある方にとってその車を長くきれいに乗り続けるための選択肢になります。

塗装の仕上がりや長持ちするかどうかは業者の腕にもよるので、信頼できる業者を選ぶようにしたいです。

また傷がついた一部を塗装するならDIYでも可能ですが、塗装範囲が広い場合はプロに頼む方が安心でしょう。

気分転換に車の色を変えたいものの将来売る時の査定に響くのが気になる場合は、フルラッピングもご検討ください。

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