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2022年1月7日

オートマイルとは?交換時期や交換方法・費用についても解説

愛車を長持ちさせるには定期的な点検とメンテナンスが必要です。そして、ATFも時期に合わせて交換する必要があります。しかし、

「そもそもATFって何なのだろう?」

「ATFの最適な交換時期っていつなのだろう?」

そんな疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

たしかにATFといってもあまり馴染みがない言葉かもしれません。

そこで当記事ではATFの役割や交換のタイミング、交換方法や費用などについて具体的に解説していきます。

ATF/CVTFとは

車を安全に動かすためにはATFもCVTFもなくてはならないものです。ここではそのATFやCVTFについて詳しく解説します。

ATF/CVTFの役割

ATFはAT車、CVTFはCVT車に使用されている油で、両者共通のFがフルードといってオイルを意味しています。

ATF(オートマオイル)とは

ATFは「オートマチック・トランスミッション・フルード」の頭文字でオートマ車専用のミッションオイルのことです。主な役割として

  • パーツの潤滑
  • エンジンのパワーをタイヤに伝える
  • シフト制御
  • トランスミッションの冷却や洗浄

などが挙げられます。

CVTFとは

CVTFは「コンティニュアスリー・バリアブル・トランスミッション・フルード」の頭文字でCVT車専用の油のことを指します。

CVT車はエンジン効率が良い車として注目されていますが、CVTFはベルトの潤滑や滑車、滑車の溝幅を油圧で調整して加速をスムーズにするための大切な油です。

オートマオイル交換の必要性

オートマオイルは交換する必要があります。なぜならオートマオイルはエンジンオイルと同じく経年により劣化するからです。

長い間使用していると熱が原因による酸化や金属粉、スラッジなどのゴミが溜まり劣化していきます。

具体的にはスタート時のもたつきや加速機能の低下、またシフト不具合や燃費の悪化といった兆候で現れます。

12ヶ月点検や車検の際に業者にオイル汚れを確認してもらい、状態によっては交換してもらうようにしましょう。

オートマオイルを交換しないことによる不具合

オートマオイルが劣化してもそのままの状態で交換をせずにいると

  • ギアチェンジする際に衝撃が大きくなる
  • ギアチェンジのタイミングがもたつく
  • 加速がスムーズにいかない
  • 燃費の悪化
  • エンジン出力のムダが増える
  • トランスミッションが故障してしまう恐れがある

などの不具合が生じます。

さらにこうした兆候が現れても交換せずに乗り続けていると、修理やパーツ交換に多額の費用がかかってしまう恐れがあるため注意しましょう。

車のオートマオイル交換のタイミング

ここまで解説してきたようにオートマオイルの交換は必要で、そのままにしておくと様々な不具合や故障を引き起こしてしまう危険性があります。

では次にオートマオイルを交換するタイミングについて見ていくことにしましょう。

オートマオイルの最適な交換時期

オートマオイルの最適な交換時期は車種や年式、車の乗り方や走行環境によっても異なるため一概にはいえません。

現在では車の性能が向上しているため、メーカーや車種によっては10万キロ毎の交換を推奨しています

しかし長い間交換しないと不具合が生じやすくなるばかりでなく、交換時の余計なトラブルを誘発してしまう恐れもあります。

そのためトラブルを防止し可能な限り車を安全な状態で乗り続けるには、オートマオイルの定期交換が必要になります。

まずは自車の車種の交換時期の目安を確認することが重要ですが、定期的に2年間、走行距離2~3万キロでの交換がおすすめであるといえるでしょう。

オートマオイルの交換時期が早まる走行状況

オートマオイルの交換時期は走行状況によっても大きく異なります。

車にとって走行環境が悪ければオイル劣化も早くなってしまうため、交換時期を早めなくてはなりません。

では、どのような走行状況だとオートマオイル交換を早めてしまうのでしょうか?

悪路走行

走行距離の30%以上を砂利道・雪道・凸凹道、未舗装路といった路面が占めている場合、車にとっては過酷な環境となります。

山道や登降坂路

上り下りが頻繁な道路はブレーキを多用するため、オートマオイルの劣化に繋がります

走行距離が多い

年間走行距離が2万km以上の場合を目安にしましょう。

短距離の繰り返し走行

1回の走行距離が8キロ以下の場合もオートマオイルの劣化を早めてしまいます。

ノロノロ運転やアイドリング

時速30キロ以下のノロノロ運転1日2時間以上のアイドリングも走行環境が悪いといえます。

低速やアイドリングは暖機が終了する前にエンジンを止めることになり、これがオートマオイルを劣化させる原因となります。

オートマオイル交換方法

ではオートマオイルを交換するには何をどのように行なったらよいのでしょうか?

ここでは具体的な交換方法について解説していきますが、交換に不安がある場合は業者に依頼するのがおすすめです。

下抜き

下抜きはエンジン下部にあるオイルパンに備えられているボルトをはずし、重力を利用してオイルを抜く方法です。

まず車をジャッキやリフトで上げボルトをはずし、出てきたオイルを受け皿に集めます。

オイルが全部出てきたらボルトを締めますが、オイル漏れを防ぐためのワッシャーを新たに交換しておくことがポイントとなります。

またボルトの締め付けトルクの管理も大切で、特にアルミ合金製のオイルパンを使用している車の場合はボルトを強く締めすぎてしまうとネジ山が壊れてしまう恐れもあるため注意しましょう。

上抜き

上抜きはポンプを使用してオイルを抜くため下抜きより短時間で作業できます。

エンジンが冷えている状態で上抜きを行なうとオイルパンに溜まったオイルは抜けてもヘッド部分などのオイルは残ってしまいまう可能性があります。

そのため、エンジンが温まっているときに作業を行なうようにしましょう。

上抜きの場合ボルトを壊してしまう恐れやオイルパンを損傷するといった恐れはないため、こうした点はメリットといえます。

一方下抜きと比べて金属粉が残りやすいといったデメリットもあるため注意しましょう。

圧送交換方式

オイルクーラーラインから圧力をかけ古いオイルを抜き取って循環させながら交換する方法になります。

下抜きや上抜きと比べても交換効率は良いといえます。

しかし古くなってしまったオイルの中に不純物が含まれ蓄積していると、オイルといっしょに循環してしまうため内部つまりを引き起こしてしまいます。

さらにそれが車自体の故障を誘発してしまう可能性もあるため注意が必要です。

そのため定期点検を行なっていない車にはおすすめできない方法です。

オートマオイルの交換費用

オートマオイルの交換費用は同じメーカー系列のディーラーでも各地で交換費用が違い、交換を推奨する年数や走行距離も各社で異なります。

またメーカー系列のディーラーでも、メーカーが勧める交換時期となる基準の年数や走行距離と違う場合もよくあるため注意が必要です。

以下が各メーカー系列のディーラーと大手カー用品店のオートマオイル交換費用の例です。

オートマオイル交換業者 交換費用
トヨタ系列ディーラー 16,200円(工賃・消費税込)
日産系列ディーラー 12,600円~13,650円(工賃・消費税込)
ダイハツ系列ディーラー 7,992円~(工賃・消費税込)
大手カー用品店(イエローハット、オートバックスなど) 4,720円~29,900円(工賃・消費税込)

メーカー系列のディーラーでは交換費用にそれほど大きな違いはありませんが、大手カー用品店は車種やオートマオイルの種類によって大きく異なります

車オートマオイル交換時の注意事項

では最後にオートマオイル交換の際の注意すべきポイントを見ていくことにしましょう。

「交換によってパーツに不具合が生じないのか」「交換する場所はどんなところが適しているのか」「年式の古い車の注意点」などを解説していきます。

オートマオイルを交換するとATが壊れるリスクがある

長期間オートマオイルを交換しないとギアの摩耗で出る金属粉で汚れてしまいます。

しかし、長期間少しずつ蓄積した汚れはトランスミッション内に固着する場合がほとんどなので突発性の不具合はあまり起こりません。

ところが新しいオートマオイルに交換すると固着していた汚れがオイルの粘度の違いによって剥がされ、トランスミッション内の不具合を発生してしまいます。

さらにひどい場合は走行不可能となることもあり得るので注意しましょう。

ATF交換を行う場所にも気をつける

エンジンオイルの交換と違いオートマオイルは、車種や型式によって同じメーカーでも使用する種類が違うこともよくあります。

オートマオイルの種類を間違って使ってしまうと不具合が生じることがあります。

ひどい場合は載せ替えやミッションオーバーホールといった修理で高額費用がかかる場合もあるので注意が必要です。

オートマオイルは各メーカーの純正品が一番相性は良いとされています。

そのため、それまで入っていたオートマオイルと同じ種類のものを入れることで混合によって生じる不具合の危険を軽減することができます。

そのため、自社製品に知識や経験も豊富なメーカー系列のディーラーに依頼するのがおすすめといえます。

年式の古い車は、複数回に分けてオイルを交換するのがおすすめ

一度にたくさんのオートマオイルを交換してしまうと内部に溜まったスラッジが循環してしまい、トランスミッション内部が詰まって故障してしまう危険性があります。

そのため少量を複数回に分けて循環させながら交換するのがおすすめです。

特に年式の古い車はオートマオイルを全量交換することが構造的に不可能な車種も多いため、まずはメーカー系列のディーラーに相談するようにしましょう。

まとめ

オートマオイルはオートマ車専用のミッションオイルでパーツの循環やトランスミッションの冷却や洗浄などの役割があります。

交換時期は車種によっても異なりますが、走行距離2~3万キロを目安とするのがおすすめです。

オートマオイルは長期間交換せず、突然大量に交換してしまうとトランスミッション内の不具合を発生してしまうこともあります。

さらにひどい場合は走行不能となる危険もあるため、十分に注意しましょう。

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