車のフロントガラスをコーティングすると、雨や結露による水滴をはじいて視界を良好に保てます。また、汚れが付着しても落としやすくなるので、メンテナンスを楽にする意味でもガラスコーティングにはメリットがあるでしょう。
この記事ではフロントガラスのコーティングにはどのようなタイプのものがあるか、成分の違いや料金相場について解説しています。コーティングの必要性を理解し、快適なカーライフにお役立てください。
目次
フロントガラスのコーティングに使う種類や特徴
フロントガラスのコーティング剤には、スポンジで塗るものやスプレーで吹き付けて施工できるものなど、いくつかのタイプが存在します。ここでは、代表的なコーティング剤の種類とその特徴を解説します。
スポンジで塗るタイプ
フロントガラスのコーティング剤は、スポンジなどでガラスに塗布するものが主流です。綺麗にしたフロントガラスへ塗り込んで乾燥させ、余分な成分を拭きあげて施工します。
このタイプのコーティング剤は、施工作業に時間や手間がかかり、均一に塗り込むにはコツがいります。しかし、丁寧に作業し、しっかり塗り込めれば高い効果が得られるので、フロントガラスの撥水性を高めて綺麗に保ちたい場合はおすすめです。
スプレータイプ
フロントガラスに吹き付けて簡単に施工できる、スプレータイプのコーティング剤も登場しています。
スポンジで塗るよりも手間がかからず、均一に塗布しやすいので、コーティング施工に慣れていない人におすすめです。雨の日でも施工でき、短時間で効果を発揮してくれるものもあるので、必要なときにすぐ使えます。
ウォッシャー液に入れるタイプ
フロントガラスのウォッシャー液に入れておき、ウォッシュ時に塗布されるタイプのコーティング剤もあります。あらかじめウォッシャー液に入れておけば、わざわざコーティング作業をしなくても、運転中に視界が気になったタイミングで手軽に使えます。
ただし、このタイプのコーティング剤は、ワイパーで広げられる範囲にしか塗布されません。フロントガラス全体に塗れない点は注意しましょう。
ガラスコーティングの成分
フロントガラスのコーティング剤には、フッ素系とシリコン系があります。どちらもフロントガラスに撥水性や防汚性を与えてくれますが、成分ごとに施工後の耐久力や撥水力、手入れのしやすさなどに違いがあります。
フッ素系コーティング
フッ素系のコーティング剤は、施工すると固い皮膜ができて、効果が長続きするのが特徴です。こまめに施工しなおす必要がなく、効果は数か月から半年程度、ものによっては1年近く持続します。
ただし、撥水性はシリコン系と比べると劣る傾向にあり、施工時には乾燥に時間がかかります。皮膜の固さが持続性を良くしている反面、再度コーティングするときに綺麗に落とす必要があり、手間がかかるのもデメリットです。
シリコン系コーティング
シリコン系のコーティング剤はフッ素系よりも皮膜が柔らかく、施工時の乾燥時間が短く済みます。薄い油膜になっているため、撥水性も高く、手軽で高い効果を期待できるのが特徴です。
その反面、皮膜が柔らかいため落ちやすく、効果の持続性は1、2か月程度とフッ素系よりも短くなっています。
しかし、落としやすい特徴は、再度コーティングするときに拭き取りの手間がかかりません。こまめにフロントガラスを手入れする人なら、シリコン系のコーティング剤が向いているでしょう。
ワイパーの交換に関する知識|種類・選び方・交換方法も紹介 | 車検のことなら早い
ガラスコーティングの料金について
フロントガラスコーティングは、専門業者やディーラーなど、プロの施工者に依頼もできます。依頼する店によって料金や品質に違いがあるので、予算や求める性能に合わせて選びましょう。
専門店の場合
車の各種コーティングを専門とする業者に依頼する場合、10,000円~25,000円程度が相場です。丁寧な下処理や独自技術による高品質なコーティングである場合、さらに高額なものも存在します。料金は高い傾向にありますが、専門店ならではの丁寧な施工をしてくれるので、1年程度効果が続きます。
カーディーラーの場合
カーディーラーでは、フロントガラスのお手入れ用品を販売しているほか、コーティング施工のサービスを行なっているところもあります。使用するコーティングの種類や店舗ごとに値段は異なりますが、3,000円~10,000円程度が相場になります。また、効果の目安は1年程度です。
ガソリンスタンドの場合
ガソリンスタンドでもガラスコーティングのサービスをしている場合がありますが、市販されている一般的なコーティング剤を使っているケースがほとんどです。料金は数千円程度と安価ですが、効果の持続性は数か月程度、長くても半年程度になります。
DIYでフロントガラスコーティングをする場合の手順
フロントガラスのコーティングは、市販のコーティング剤を使ってDIYできます。綺麗に施工するには下処理を丁寧に行ない、十分な乾燥ができるよう気温や湿度に注意しましょう。
ここでは一般的なDIY手順を解説しますが、使用するコーティング剤によって乾燥にかかる時間や拭きあげのタイミングが異なるので、説明書をよく確認したうえで施工してください。
下処理をする
フロントガラスに汚れや水気、油分などが残っているとコーティングの効果が得られず、綺麗に仕上がりません。
汚れの上からコーティングするとフロントガラスを傷つける恐れがあるので、洗剤を使ってシャンプー洗車し、汚れをしっかり落とします。
洗車後は水気を拭き取り、洗剤に含まれている油分や化学物質を取り除く、脱脂作業も忘れずに行ないましょう。水気や油分、化学物質が残っているとコーティングの付きが悪くなり、塗りムラや施工後の曇りを引き起こします。
コーティングのDIYをするときは、こうした下処理をしっかり行ないましょう。
コーティング剤を塗る
下処理ができたら、コーティング剤をムラなく塗り込みます。なお、コーティング剤によって、施工に適した温度・湿度などが決まっているので、施工時の環境が適しているか確認したうえで行ないましょう。
コーティング剤を塗るときは、縦・横で均一に塗ってから、円を描くようにしてムラをなくすと綺麗に施工できます。
コーティング剤を乾燥させる
コーティング剤をフロントガラスに定着させ、皮膜層が固まるように乾燥時間を置きます。乾燥が不十分な状態でクロス拭きすると、せっかく塗り込んだコーティング剤の剥がれやムラができる原因になります。
乾燥には10分から15分程度という場合が多くなっていますが、季節やコーティング剤によって違う場合もあるので、説明書を確認しましょう。コーティング剤によっては、乾燥時間を置かずに吹きあげ作業をするものも存在します。
クロスで拭きあげる
乾燥が済んだら余分な成分を取るため、乾いたクロスを使って拭きあげます。コーティング剤のすじが残らないよう、しっかり拭いて、綺麗に仕上げましょう。
下処理からコーティング剤の塗り込み・乾燥、拭きあげまでを含めると、フロントガラスのコーティングは時間がかかる作業です。十分な時間が取れるときに行ない、コーティングを綺麗に仕上げましょう。
まとめ
走行中の視界を確保し、汚れが付着しても落としやすくなるので、フロントガラスはコーティングしておくのがおすすめです。
コーティング剤にはしっかり塗れて効果が持続するスポンジで塗るタイプや、手軽に施工できるスプレータイプ、ウォッシャー液に入れておけばワイパーで簡単に塗れるものなどがあります。また、コーティング剤の成分には、フッ素系とシリコン系があり、それぞれ撥水性や持続性などに違いがあります。
また、フロントガラスのコーティングは専門店やディーラーなどに依頼できるほか、市販のコーティング剤を購入してDIYも可能です。
予算や求める効果に応じて、最適なフロントガラスのコーティングを選びましょう。