車検整備/部品

2021年2月1日

車検落ちの原因はタイヤ?審査基準やチェックポイントについて

誰でも自動車(普通乗用車)を所有している限り2年に一度(新車の場合は3年)必ずやってくる「車検」。

法定費用と言われる重量税と自賠責保険だけで軽く数万円とられてしまうので、その時期になると憂鬱になる方もいらっしゃるかもしれません。

まず車検は、24か月法定点検というものを行い、自動車が正しい状態にあるかどうかの厳しいチェックが行われます

ここで何か不備、劣化があれば必要な整備、部品交換を行います。この点検が行われる事で安心してまた2年自動車に乗ることができるのです。

今回はこの法定点検の中でも特にタイヤについて解説していきましょう。

車検ではタイヤを厳しく点検される

車検の法定点検項目はかなり多岐にわたりますが、その中でも一番重要であり、かつ素人にも簡単に点検できるパーツがタイヤと言えます。タイヤは自動車の動力を地面に伝える唯一の自動車部品であり、走る曲がる止まる自動車の走行に関わる全てにおいて重要な役割を担っています。

タイヤのチェックポイントの一番はトレッドパターンと呼ばれる接地面の「溝」の状態です。溝が十分に残っていないと雨の日の走行でスリップしたり、ブレーキを踏んだ時に思った位置に止まれなかったりします。

日々各地で起こっている自動車事故の原因のひとつがタイヤの整備不良と言われるように、タイヤは安全にドライブするための重要なパーツなのです。

このように、タイヤは自動車事故の直接的な原因になりえるので、車検では特に厳しくチェックされるのです。

不備のあるタイヤで走行すると罰則?

タイヤの溝の重要性はわかりましたが、溝が無くても晴れた日に普通に街乗りだったら走れるって思ってませんか?それは正解でもあり不正解でもあります。

本当に安全かどうかは別にして、物理的には走れます。しかし溝の無いタイヤで走行する事は様々な危険を伴います。したがって、1.6mmに満たない溝のタイヤで走行する事は整備不良として違法扱いとなります。

違法行為だと思ったら普通の人であればちょっと走ろうと思わないですよね。取り締まりなどでタイヤの溝が無く整備不良とされてしまうと、違反点数2点、9000円の罰金が科せられることがあります。違反とならないようにタイヤの溝は常に気を付けましょう。

車検のタイヤ周りの点検項目

トレッド摩耗

ここまででもお話ししてきたように、一番重要で素人にも見てわかる点検項目がトレッド(接地面)の溝の摩耗です。新品のタイヤの溝は約8mm。溝が減ってくると

  1. 排水性能の低下(雨で滑りやすい)
  2. 乾燥路面でもブレーキ制動距離が長くなる(緊急時に止まれない)
  3. パンク、バーストの危険が高まる
  4. 走行音が大きくなる

というようにデメリットが多くあります。

空気圧

空気圧も車の走行には非常に重要や要素です。それぞれの自動車には適正の空気圧というのが決まっていますので、その適正の空気圧を保つことが重要です。空気圧は低いまま走ると燃費が悪化し、タイヤの偏摩耗が起こります。

高速走行を続けた場合、最悪の場合スタンディングウエーブ現象というタイヤのバーストが起こります。また空気圧が高過ぎてもやはり偏摩耗の原因となり、運動性能や乗り心地も悪くなります。

通常空気圧は車検の際、点検の一環で適正に合わせてくれると思います。

偏摩耗(片減り)

タイヤの偏摩耗は極端にタイヤの寿命を縮めますので注意が必要です。例えば真ん中の溝は十分あるのに、外側の溝が無くなり車検に通らないという事が起こり得ます。

偏摩耗の原因はいくつかありますが、空気圧のところでもお話しした通り、適正空気圧で走行しない事が一番の原因です。

またミニバンやワンボックスなど車高の高い車は、カーブなどの時外側により多くの車重がかかりますので、ミニバン専用タイヤを使用しないとこれも偏摩耗の原因となります。

ひび割れ、傷の有無

普段あまり車を使用しない人にありがちなのが、タイヤのひび割れです。

タイヤはゴム製なので年数が経つと硬くなり、ひび割れが発生します。これもあまり状態が悪いと車検でNGとなってしまいます。また駐停車時の歩道への幅寄せなどでタイヤの横をぶつけたりして傷になることがあります。

これも大きさ深さにもよりますがタイヤの強度が保てず危険と判断されると車検に通りません。

車検に通らないタイヤの特徴

溝が浅く、スリップサインが出ている

タイヤの溝は中々素人が見てもよいのか悪いのか判断は難しいかもしれません。確実なのは教習所でも習いましたが、タイヤにあるスリップサインを見る事です。

タイヤのサイドウォールにある小さい三角の印(ミシュランタイヤの場合マスコットキャラクターになっている場合もあります)の位置からまっすぐタイヤの接地面の溝のところに視線を移動すると、溝の一番深いところから1.6mm凸状になったところがあります。

ここが摩耗によって周囲の高さと同じになると「スリップサインが出た」状態となり、溝の深さが1.6mmを切ったという事で整備不良となります。こうなっている場合、タイヤ交換しない限り車検は通りません。これが1本だけだった場合でもバランスを考えると4本交換した方が良いでしょう。

片減りやヒビ、はみ出しがある

またタイヤにスリップサインが出ていなくても、スリップサインが無い外側が極端に摩耗している場合や、タイヤ全体にヒビが出ていて検査員がパンクなどの危険性が高いタイヤと判断した場合車検に通らない場合があります。

またタイヤが車体から1本でもはみ出している場合は車検に通りません。タイヤがはみ出す原因としては車に適正なタイヤサイズより装着しているタイヤ幅が太かったり、ホイールのインセットが合っていないという事が考えられます。

車検を通すにはタイヤ、ホイールを適正サイズにする必要があります。場合によって、車をぶつけた事によるボディの変形でタイヤがはみ出してしまうこともあります。この場合ボディの板金修理またはパーツの交換が必要です。

タイヤの劣化を防ぐ3つの方法

1.タイヤローテーションを行う

タイヤローテーション(前後タイヤの入れ替え)は安全の為にも無駄なタイヤ交換を防ぐ為にも重要です。
自動車のタイヤの摩耗は4本とも全く同じようには進まないのが普通です。一般的には前輪と後輪では減り方が違います。FF(前輪駆動)車の場合前輪の減りが早いです。これは駆動力を地面に伝える際の抵抗が大きいのと、エンジンの重さで前輪により負担がかかっている事が原因です。
前後の摩耗差をローテーションする事で少なくして、タイヤ交換の頻度を下げましょう。車種、走行場所、乗り方によってもタイヤ摩耗の前後差は変わってきますので1万km位を目安として、前後差があるなと思ったらタイヤローテーションをした方が良いでしょう。

2.空気圧を定期的に確認する

タイヤの空気圧は、運転席のドア付近や給油口の蓋にその自動車の適正空気圧が記載されているので、圧が適正に保たれているか定期的に確認が必要です。
タイヤの空気圧が適正圧になっていないと偏摩耗の原因になったり、燃費の悪化、パンクやバーストの原因になってしまいます。最近は空気の代わりに窒素ガスを入れることで減りにくく圧が安定して点検の頻度を減らすという事を推奨している販売店も増えています。

3.急発進や急停車を避ける

タイヤの摩耗は車の運転の仕方によっても大きく変わってきます。
やはり、急発進急停車が多い人は減りが早いですし、カーブでスピードを落とさない人は偏摩耗になりがちです。「急」がつく運転をせず法定速度を守る運転をする事は、安全である事は勿論、タイヤにとっても優しい運転という事なのです。

車検でタイヤ交換はできるのか?

車検の時にタイヤ交換が必要な状態かどうかというのは、その車検業者に直接確認してみるのが一番手っ取り早いでしょう。交換が必要となった場合、特殊なサイズでなければ車検当日でも交換の対応はしてくれると思います。

確実なのは車検の前にタイヤ交換が必要かどうか車を見てもらって、必要ならばタイヤの種類や値段を相談して当日に備えるのが良いでしょう。
車検専門店「車検館」なら、車検の時は勿論、いつでもタイヤの溝、ヒビの状態など相談できてメンテンナンス可能です。

サービスの詳細についてはこちらをご確認ください。

まとめ

車の所有者にとって車検は2年に一度必ずやってくる義務。その際にタイヤ交換も必要か不要かは車検予算に大きく影響します。摩耗やパンクで交換が必要なのは仕方ありませんが無駄に早く交換しなければならないという事態だけは避けたいものです。

タイヤは普段から空気圧を適正に保ち定期的にローテーションを行っていれば少なくとも3~4万kmは安全に使用できます。最近はガソリンスタンドの多くがセルフとなってしまったので、空気圧の点検も思うようにできないのが現実です。

半年に一度くらいはプロの整備士がいるショップで点検してもらうのが安心かもしれません。

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