車の購入代金は高額なので、自動車ローンの利用を検討することも多いでしょう。
自動車ローンを使えば購入時に大きな金額を用意する必要はありませんが、利息や手数料で一括で支払うより金額が膨らんでしまいがちです。
そして自動車ローンはいくつかの種類がありますが、どれを選ぶかによって利息などの条件が大きく変わります。
ここではそれぞれのタイプの自動車ローンのメリットやデメリットを比較していきながら、自動車ローンを選ぶ際のポイントなども紹介します。
目次
自動車ローンの4つの種類を比較
自動車ローンには金融機関のカーローン、ディーラーローン、自社ローン、残価設定ローンの4種類があります。
まずはそれぞれを比較しながら、特徴やメリット・デメリットを確認しましょう。
金融機関のローン
銀行や信用金庫それにJAといった金融機関は車関係の費用に使えるカーローンを提供しています。
特徴は金利が低く他のタイプの自動車ローンより総返済額を減らせる可能性が高い点とローン返済中も車の所有者は購入者になるところです。
メリットが大きいですが、審査が厳しいのが注意点と言えるでしょう。
金融機関のローンのメリット
- 金利が1%から4%と低い
- 車の購入はもちろん免許取得や車検など車関係の費用に幅広く使える
- ローン返済中も購入者が所有者になるので、ローン返済中の売却や処分も簡単
- 住宅ローンを組んでいる金融機関に頼むと金利がより低くなる可能性あり
金融機関のローンのデメリット
- 審査が厳しく審査の結果が出るまでに1週間から2週間ほどかかる場合もある
- 金利の他に保証料や手数料が発生することも
- 平日しか空いていない店舗がほとんど(申し込みはネットでできても契約は店舗ですることが多い)
- 住宅ローンを組んでいる金融機関に頼むと金利がより低くなる可能性あり
- ローンを組む金融機関で口座を開設する必要あり
ディーラーローン
ディーラーローンはディーラーが提供している自動車ローンです。
契約はディーラーの店舗で行いますが、ローンを提供しているのはディーラーが提携している信販会社になっています。
車購入と同時にディーラーの店舗で申し込むことができるので楽ですし審査も比較的甘いのですが、金利が高くローン返済が完了するまで車の所有者はディーラーや信販会社になるのが特徴です。
ディーラーローンのメリット
- 車購入する店舗でそのまま手続きでき、即日審査に通ることも
- 車種を限定して金利が低く設定されていることがある
- 審査が甘め
ディーラーローンのデメリット
- 金利が5%から10%と高い
- ローン返済中は所有者がディーラーや信販会社なので売却などが面倒
- 車とオプション購入費用だけが対象で車検などには利用でき無し
自社ローン
自社ローンは中古車販売店が提供している分割払い制度です。
金融機関や信販会社が提供しているわけではなく金利もないためローンではありませんが、自動車ローンの一つとして扱われることが多いです。
手数料や保証料がかかります。
自社ローンのメリット
- 金利なしで借りられる
- 信用情報を確認しないので審査に通りやすい
- 中古車販売店で手続きできるので手間がかからない
自社ローンのデメリット
- 金利の代わりに購入金額の10%程度の手数料や保証料がかかる
- ローン返済中は所有者が中古車販売店
- ローン返済中に売却をする場合は一括返済が基本
- 保証人が必要なケースが多い
- 高額の借り入れや長期返済は受け付けていないことも
残価設定ローン
残価設定ローンはディーラーが提供している自動車ローンの一つです。
ローン返済期間後の残価を設定し、その分を引いた金額を返済していきます。
例えば250万円の車で5年後の価値が50万円と算出した場合、5年間で返済する額は200万です。
返済期間終了後はディーラーに車を返すか、残価(この場合50万円)を支払って車を購入するかを選ぶことができます。
残価設定ローンのメリット
- 残価が引かれる分返済額が少なくなる
- 一度設定された残価は市場の動向に関わらず変更されない(輸入車を除く)
- ディーラーの店舗でそのまま手続きできる
残価設定ローンのデメリット
- 設定した走行距離を超えたり傷が付いたりすると追加で費用が必要に
- 返済期間が終わっても残価を支払わないと車の所有権が手に入らない
- ローン返済中に買い替える場合は一括清算になることが多い
- ディーラーローンよりは金利が低いが金融機関のローンよりは高い
自動車ローンでかかるコスト
自動車ローンを選ぶ際には購入金額以外にかかるコストについても考慮しておきたいです。
金利はもちろん保証料や繰り上げ返済手数料についても確認しておきましょう。
固定金利と変動金利
自動車ローンの金利には固定金利と変動金利があり、それぞれの金融機関によってどちらの金利が適用されるか変わります。
自動車ローンに関わらずローンの話になると必ずと言っていいほど聞く単語ですが、違いを確認してより自分に合った方を選びたいです。
固定金利は返済中ずっと最初に取り決めた利率が適用され続け、途中で変動することがありません。
そのため返済額も最初に決めた額と変わりませんし、月々の返済額もずっと一定です。
わかりやすく返済計画も立てやすいですが、変動金利より金利が高めになるので総返済額が上がってしまいます。
変動金利は市場金利に合わせて利率が変動するタイプで、6ヶ月程度に一度金利が見直されます。
現在のように金利が据え置きになっていると利率を低く抑えられますが、もし市場金利が上がると自動車ローンの利率も上がります。
そうなると月々の返済額が上がってしまう上、総返済額も大きくなります。
比較するとそれぞれ一長一短ありますが、比較的返済期間が比較的短期間でさほど金額も大きくない自動車ローンは、変動金利のデメリットを受けにくくなっています。
そのためか自動車ローンでは変動金利の商品の方が多いです。
固定金利
返済期間中ずっと金利の利率が変わらない。市場金利が上がっても返済額や総返済額が変わらないが、変動金利より金利が高め。
変動金利
市場金利に合わせて利率が変動し、それによって月の返済額や総返済額も変わる。
低金利時代にはよりお得になるが、返済途中に金利が上がるリスクも。
保証料
自動車ローンでは保証人をつけないことも多いですが、その代わりに保証会社に保証を頼みます。
保証料はこの保証会社に支払う費用で、金額は借入金額の1%程度です。
金融機関によって金利に保証料が込みになっている場合と、別途支払わないといけない場合があります。
金利を比較する場合は保証料の扱いも必ず確認し、金利と保証料両方の合計でよりお得になる方を選びたいです。
繰り上げ返済手数料
繰り上げ返済とは毎月の返済金額にいくらかプラスして返すことです。
無理に繰り上げ返済する必要はないのですが、繰り上げた分は元本の返済に充てられるために利息の負担を軽減できます。
ただ金融機関によっては自動車ローンの繰り上げ返済を認めていなかったり、出来ても手数料がかかる場合があります。
繰り上げ返済を少しでも考えているなら、繰り上げ返済が自由にでき、尚且つ手数料はできるだけかからないローンを選ぶようにしたいです。
自動車ローンを選ぶ時のポイント
色々な自動車ローンを比較しても、なかなかどれが自分に合っているのかわからない方もいるでしょう。
ここでは自動車ローン選びのポイントをいくつかまとめます。
金利が低いと審査は厳しい
できるだけ金利が安い自動車ローンがいいと考えるのが自然ですが、ここで注意しておきたいのは金利が安い金融機関のローンは審査が厳しいことです。
金融機関の審査通過の条件に自信がない場合は、より審査が甘いディーラーローンを組めるか相談することになるでしょう。
ディーラーローンは金利が高く返済が負担になるのでは、と心配するかもしれません。
ただキャンペーンで金利が下がっていたりローンを組むことを条件に車体価格の値下げ交渉に応じてもらえたりすることもあります。
できるだけお得になるようによく情報収集するようにしてください。
頭金があるほど金利は抑えられる
自動車ローンをフルローンで組むケースも少なくありませんが、ローンの審査とその後の返済の両方で頭金がある方が有利です。
年収などの条件に不安があったり借入金額が大きかったりする場合も、頭金を用意することで審査に通りやすくなります。
結果金融機関の自動車ローンを借りられたら、ディーラーローンに頼るより金利が抑えられるでしょう。
また頭金があると借入金額を抑えられるので、フルローンを組むより返済の負担が軽いです。
返済に余裕ができることで、返済途中で自動車ローンが払えなくなったり家計を圧迫したりするリスクを減らせます。
ネットだと申し込みが簡単
金利が低い金融機関の自動車ローンのデメリットは、基本的に平日にしか受け付けてもらえずディーラーとは別に金融機関の店舗にも行かないといけない点です。
ただネットで申し込みができる金融機関を選ぶことで、このデメリットを大いに軽減できます。
特に忙しくて平日時間が取れない方は、申し込みだけではなく契約までネット上でできるローンをまず検討するのもいいでしょう。
まとめ
自動車ローンには金融機関やディーラーなどさまざまな場所で組むことができますが、それぞれ比較すると特徴が大きく異なります。
金利が低いのは銀行など金融機関のローンですが、審査の通りやすさならディーラーローンです。
自動車ローンには金利以外にも保証料等がかかる場合があるので、どんな費用があるかも確認しながら決めるのが大切です。
頭金を用意すると審査に通りやすくなります。