車検の種類その他

2022年2月28日

通すだけの車検の検査項目とは?メリット・デメリットも解説します。

車検は新車の場合、初回車検が3年目に行なわれます。

それ以降は2年ごとに行なわれますが、まとまった費用がかかります。

  • 車検は最低限の点検だけしてもらって費用を安く抑えられればいいのに
  • 「通すだけの車検」って聞いたことはあるけど何だろう?

そんな悩みや疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

たしかに家計の出費を抑えるためにも、低価格の車検があればとても便利です。

そこで当記事では「通すだけ」の車検の概要やメリット・デメリット向いている車・向いていない車について解説します。

「通すだけ」の車検とは?

通すだけの車検とは基本点検と検査費用だけで行なう車検のことを指します。

車検の際に不具合箇所が見つかった場合、そのパーツの修理や交換を行なわないと車検が通りません。

しかし例えば「タイヤの溝が少ない」「エンジンオイルが汚れている」といった場合でも車検自体は通すことができるのです。

車の潤滑油であるエンジンオイルやブレーキ制御の役割を持つブレーキフルードなどは、どのような状態であるかといったところまでは点検されません。

またタイヤの溝も最低1.6mm以上あり、特殊なすり減り方などしていなければ車検は通るのです。

つまり車検の際に必要な項目が問題なければ、通すだけの車検も可能となるのです。

通すだけの車検の検査項目

では、通すだけの車検の検査項目にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは車の外観や内観、下回りについてそれぞれ具体的に解説していきます。

車の外観、内部に関して

  • ワイパーの動作チェック
  • ヘッドライトの光軸点検等
  • ヘッドライトやウインカーの割れ、球切れや損傷のチェック、点灯色のチェック
  • ハンドルの状態やホーンの作動チェック
  • スピードメーターの点検
  • 最低地上高
  • ボディーの破損等

車の外観や内観に関しては上記項目の安全性が確認されなければ、車検に通すことができなくなってしまいます。

車の下回りに関して

  • オイル漏れ
  • タイヤのはみ出しや残り溝の点検
  • ボルトの締め付けやホイールナットの点検等
  • ブレーキ(前後のブレーキやパーキングブレーキ)の点検
  • ブーツの破れなどの足回り部品のチェック
  • マフラーの騒音、排ガスの点検など

車の下回りに関しても上記項目に安全上の不具合が発見されてしまった場合、車検に通すことができなくなり、不具合箇所は修理や整備を行なう必要があります。

通すだけの車検のメリット・デメリット

では、通すだけの車検にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

具体的に解説していきます。

通すだけの車検のメリット

通すだけの車検のメリットには主に次の2つが挙げられます。

費用がかなり安くなる

車検業者によって多少の違いはありますが通すだけの車検の場合、基本点検料と検査費用だけなのでかなり安くなります。

低価格を優先するのであればディーラーではなく、安価が強みの車検業者の方がよいでしょう。

無駄な整備がない

一般的な車検の場合は急を要さない部品交換を勧められ、無駄な整備で価格が高くなる場合もあります。

車検をよく知らない人だとすぐに整備しなければいけないものと、そうではないものの区別がつかないため余計な支払いをしてしまう可能性もあります。

通すだけの車検のデメリット

通すだけの車検のデメリットには主に次の2つが挙げられます。

こちらも一つひとつ具体的に解説していきます。

安全性の保証がない

車検を通すための基本点検以外のことはしないため、車検後の安全性は保証されません

安全上の観点からは交換や修理が必要なパーツがあったとしても、整備しなくても車検が通るものであればそのままにされてしまうからです。

費用が高くなる可能性も

車検のみで考えれば通すだけの車検は、前述の通りかなり安くなります。

しかしその後、部品交換しなくてはならない箇所が見つかればかえって費用が高くなる可能性もあります。

通すだけの車検が向いているか判断基準

では通すだけの車検が向いているかの判断基準にはどのようなことが挙げられるのでしょうか?

向いているケースと向いていないケースに分けて、それぞれ解説していきます。

通すだけの車検に向いているケース

通すだけの車検に向いているケースとして主に次の3つが挙げられます。

車検後に別で修理する予定がある

「車に何かしらの不具合があり修理は必要であるものの、車検の合否には直接関係しないため車検後に修理を予定している」

このような場合は車検時にすべてを修理する必要はないため、通すだけの車検に向いているといえます。

自分で車のメンテナンスができる

車が好きで普段から自分で車両メンテナンスしている人で、車検時に業者に修理を依頼せず自分で行なえる場合は通すだけの車検で十分でしょう。

車が新しい

車が新しくそれほど走行距離もない場合は修理箇所があるとは考えにくいため、通すだけの車検でもよいでしょう。

通すだけの車検に向いていないケース

通すだけの車検に向いていないケースとして主に次の3つが挙げられます。

車の知識がなく日頃から定期的にメンテナンスを行なっていない人

通すだけの車検の場合は日頃から定期的にメンテナンスを行なっていないと、車検後の車の不具合にかえって費用がかかってしまいます。

そのため車の知識がなくメンテナンスを行なえない人は通すだけの車検はやめた方がよいでしょう。

費用や時間がかかってもよい人

あくまで安全性を優先し車検にはそれに必要な費用や時間が伴うものと割り切って考えている人や金銭的に余裕がある人には通すだけの車検は向いていないでしょう。

車が古く、走行距離が多い

例えば新車登録から10年以上経ち走行距離も15万kmを超える車の場合は、いつ部品の故障やトラブルがあってもおかしくありません。

車検の合否に直接関係ない部品であっても、その後の安心安全が保てない可能性がある場合は通すだけの車検ではなくディーラー車検を利用した方がよいでしょう。

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まとめ

通すだけの車検とは基本点検と検査費用だけで行なう車検のことです。

費用が安く無駄な整備が行なわれないといったメリットがありますが、一方で安全性の保証がなく、車検後かえって部品交換や修理など必要が高くなる可能性があるといったデメリットもあります。

通すだけの車検は車検後に別の修理予定がある場合や自分でメンテナンスできる人には向いています。

ただ、車の知識がない人や費用がかかってもよいという人、車が古く走行距離も多い場合は向いていないといえます。

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