車検の種類

2021年5月30日

4ナンバー車の車検費用は高い?安い?税金や保険料の違いを解説

車検更新の頻度や車検費用は、車の使用年数だけでなく、種類によって異なります。
4ナンバーと呼ばれる車を所有している場合、車検更新が毎年あるので、面倒に感じている人もいるのではないでしょうか。
しかし4ナンバー車は、普通乗用車と比較すると、維持費が安く抑えられます。
この記事では4ナンバー車がどのような車を指すのかを解説し、車検頻度や維持費の違いによるメリット・デメリットをご紹介します。

4ナンバーとは?

車の4ナンバーとは、ナンバープレートに記載された分類番号が、4から始まるものを指します。
分類番号は10種類あり、地域名の隣に表記された3桁または2桁の数字が分類番号です。
4ナンバーは、貨物輸送を目的とした小型車に使われています。

車のナンバー/車種別一覧表

ナンバープレートの表記される分類番号は、下記の10種類に分かれています。

呼び方 分類番号 当てはまる車
1ナンバー 10、100番台 普通貨物自動車(大型トラックやダンプカーなど)
2ナンバー 20、200番台 普通乗合自動車(乗車定員11人以上のバスなど人を運ぶための車)
3ナンバー 30、300番台 普通乗用自動車
4ナンバー 40、400番台 小型貨物自動車(貨物運搬を目的としたワゴンや軽トラックなど)
5ナンバー 50、500番台 小型乗用自動車及び乗合自動車(軽自動車や小型ワゴンなど)
6ナンバー 60、600番台 小型貨物自動車(4ナンバーが枯渇したとき使われる)
7ナンバー 70、700番台 小型乗用自動車及び乗合自動車(5ナンバーが枯渇したとき使われる)
8ナンバー 80、800番台 特殊用途自動車(パトカー、霊きゅう車、教習車など)
9ナンバー 90、900番台 建設機械を除く大型特殊自動車(フォークリフト、トラクターなど)
0ナンバー 00、000番台 大型特殊自動車のうち建設機械に該当するもの(ショベルカーや大型クレーン車など)

4ナンバー車の条件

分類番号が4ナンバーの車は小型貨物自動車で、貨物運搬を目的とした小型車です。
そのため4ナンバーで車を登録するには、荷室の面積や荷物の積み下ろしに使うドア寸法などに決まりがあります。
● 座席部分よりも荷室のスペースが広く、荷室の床面積が1㎡以上あること
● 後ドアの開口寸法が幅800mm・高さ800mm以上(軽自動車は高さ600mm以上)であること
● 定員まで人を乗せたときの重さより、荷物の積載重量の方が重いこと
● 運転席と荷室との間に仕切りがあること
また車の大きさや排気量は下記の条件を満たす必要があり、1つでも超えてしまうと、1ナンバーの普通貨物自動車となってしまいます。
● 全長4.7m以下
● 全幅1.7m以下
● 全高2.0m以下
● 総排気量2,000cc以下(ディーゼル車は無制限)
以上の条件を満たすものが、4ナンバー車として登録できます。

4ナンバー車と普通車は車検が異なる?

4ナンバー車と3ナンバーの普通乗用自動車では、車検更新期間や自動車税の計算が異なります。
こうした違いが車の維持費用の差となるので、チェックしておきたいポイントです。

車検の更新期間が違う

4ナンバー車の車検は、新車登録後の初回は2年、以降1年ごとに有効期限を迎えます。
3ナンバー車の車検は初回3年、以降2年ごとの有効期限です。
車検の有効期限で比較すると、4ナンバー車は車検の頻度が増え、費用や手続きの手間がかかるでしょう。

自動車税の計算方法が異なる

4ナンバーは車の排気量ではなく最大積載量で税額が決まるため、3ナンバーとは自動車税の計算方法が異なります。
3ナンバーの場合、自動車税が一番安い排気量1000cc以下で29,500円(新車登録が2019年10月1日以降の場合は25,000円)です。
これに対して4ナンバーは最大積載量1t以下で8,000円、1t超2t以下でも11,500円となり、自動車税が安いことがわかります。

4ナンバーの車検費用は?

4ナンバー車を所有している場合、普通乗用自動車よりも車検頻度が多くなりますが、車検費用はどうなるのでしょうか。
車検費用は法定費用と車検基本料の2種類からなり、車検基本料は車検を受ける場所によって、金額が変わります。
4ナンバーの車が車検を受ける際に必要な、法定費用はいくらになるのでしょうか。

4ナンバーにかかる自動車重量税

4ナンバー車の車検は、新車登録時の有効期限である2年が過ぎると、毎年更新が必要です。
自動車重量税の1年あたりの金額を表にすると、下記のようになります。

車両重量 (13年未満・非エコカー) 自家用4ナンバー車 事業用4ナンバー車
1t以下 3,300円 2,600円
1t超2t以下 6,600円 5,200円
2t超3t以下 ~2.5t以下 9,900円 ~3t以下 12,300円 7,800円
3t超4t以下 16,400円 10,400円
4t超5t以下 20,500円 13,000円
5t超6t以下 27,500円 15,600円
6t超7t以下 28,700円 18,200円
7t超8t以下 32,800円 20,800円

※車両重量が8tを超えるものは1ナンバー(普通貨物自動車)となります
3ナンバーの普通乗用自動車は、車両重量0.5tあたり年間4,100円です。
同じ車両重量で比較すると、自家用車で1tの場合、4ナンバーは年間3,300円、3ナンバーは年間8,200円となり、4ナンバーの方が自動車重量税を安く抑えられます。

4ナンバーにかかる自賠責保険料

車を所有する際、加入が義務付けられている自賠責保険も4ナンバーと、3ナンバーや5ナンバーを比較すると異なります。

期間 自家用4ナンバー車 事業用4ナンバー車
25か月 23,870円 31,870円
24か月 23,150円 30,840円
13か月 15,020円 19,220円
12か月 14,280円 18,160円

3ナンバーの保険料は24か月で20,010円となるため、4ナンバーの方が割高です。
軽自動車など5ナンバーの自賠責保険料は19,730円であるため、さらに保険料が安くなっています。
4ナンバー車は貨物輸送目的の車両であることから、走行距離が長く、利用頻度も高まるため保険料を高く設定されています。

4ナンバーにかかる印紙代

車検手続き時には手数料として、検査印紙代を支払います。
4ナンバー車を車検に出す場合、印紙代400円・証紙代1,300円・技術情報管理手数料400円、合計2,100円が必要です。
3ナンバーの場合は印紙代400円・証紙代1,400円・技術情報管理手数料400円、合計2,200円となり、一見4ナンバーの方が印紙代・証紙代が安いように見えます。
しかし4ナンバーの車検は新車登録後の期限が過ぎたあと、毎年受けなければならないのに対し、3ナンバーの車検は2年ごと。
車検を受ける回数で比較すると、4ナンバーの方が検査印紙代を多く支払うことになります。

4ナンバー車のメリット・デメリット

4ナンバー車の車検頻度や自動車税、車検費用の違いを解説しました。
それらをメリット・デメリットとしてまとめると、以下のようになります。

4ナンバー車のメリット

● 毎年支払う自動車税が安い
● 車検更新時に支払う自動車重量税が安い
4ナンバー車のメリットは、自動車税および自動車重量税が安いことです。
特に自動車税は3ナンバー車が排気量によって金額が変わるのに対し、4ナンバー車は積載量で金額が決まります。
車の大きさに差がなく、排気量も変わらないのであれば、4ナンバー車の方が自動車税が抑えられることが多いでしょう。
また車検更新時に必要な自動車重量税も、4ナンバーの方が安く押さえられます。
車にかかる税金が安く済めば、維持費の負担が軽減できるでしょう。

4ナンバー車のデメリット

● 新車登録後の2年を経過すると毎年車検を受けないといけない
● 自賠責保険料や印紙代が多くかかる
4ナンバー車のデメリットは、毎年車検が必要になることです。
同じ年数、同一の車を乗り続けるのであれば、3ナンバーや5ナンバーよりも車検回数が多くなり、手間がかかるでしょう。
しかし車検回数が多ければ、定期的に車の点検整備の機会が増えます。
見方を変えると、4ナンバーは長く安全に乗り続けられる可能性があるともいえるでしょう。

4ナンバー車は維持費が安く抑えられる

4ナンバー車はナンバープレートに表記されている、3桁または2桁の分類番号が4から始まる車のことです。
分類としては小型貨物自動車となるため、4ナンバーで登録するには、荷物の運搬に適した構造であることや座席よりも荷室の床面積が広いなどの条件があります。
4ナンバー車と、普通乗用自動車に該当する3ナンバー車を比較すると、車検の更新期間や自動車税などに違いがあります。
4ナンバー車は車検更新が毎年必要になり、自賠責保険料が割高ですが、自動車税および自動車重量税が安い傾向にあります。
これらを総合的に比較すると、4ナンバー車の方が年間の維持費を抑えられるでしょう。

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